投稿リポート 大規模災害の発生に備えて
「防災かまどベンチ」寄贈

大規模災害の発生に備えて「防災かまどベンチ」寄贈
防災かまどベンチを使って豚汁を作る八尾ライオンズクラブのメンバー

八尾ライオンズクラブ(松本忠賜会⾧/83人)は3月13日10~14時、久宝寺緑地もくもく元気広場で特別事業「防災かまどベンチ事業」を実施した。

当日は防災かまどベンチ4基の寄贈セレモニーや、大規模災害発生時に備えた炊き出し訓練を実施。併せて八尾警察署、八尾市消防本部、陸上自衛隊八尾駐屯地の協力を得て、同広場にパトカーや白バイ、消防車、災害用車両等を展示した。学校法人志紀学園(御喜田俊也理事長)の園児にも参加してもらい、展示車両と記念撮影をしたり、大阪・関西万博のキャラクターであるミャクミャクと一緒に「ミャクミャクダンス」を踊ったりするなど、約300人が参加するイベントとなった。

本事業を企画するに至ったのには、次のような経緯がある。昨今、全国各地で大規模な自然災害が発生し、危機的な事象がいつ発生するか分からない状況にあることから、八尾ライオンズクラブとして何か出来ることはないかと考えていた。そうした中、能登半島地震の被災地で復興に尽力している地元の方々と直接触れ合う機会を得て、昨年7月にキッチンカーでハンバーガーや弁当を提供する支援活動を実施。改めて普通に食事が出来る「ありがたさ」を実感した。

災害時に本格的な復旧が始まるまでの間、温かい食事を取って落ち着けるような場を提供し、被災者に元気や勇気を与えることは、災害支援を重点分野とする我々ライオンズクラブにとって重要な活動だ。そこで、炊き出しが出来る設備が身近にあれば、役に立つのではないかと考えた。防災かまどベンチ事業は、ただ単に災害時に役立つ設備を作るというだけのものではない。その設置までの過程を通して地域のさまざまな人々とのつながりを強める他、災害発生時の状況を想像させる機会や、訓練の場を作るなど多くの効果が期待出来る。南海トラフ巨大地震発生の危機が迫る中、一日も早く備えを始めたいという思いもあった。

ミャクミャクと一緒にダンスする園児

久宝寺緑地は大規模災害時の広域避難場所に指定されている。そこに防災かまどベンチが設置されたと広く知ってもらうことには大きな意義があると考え、寄贈に合わせてイベントを開催することにした。

イベントの第1部は防災かまどベンチの寄贈セレモニーで、松本会⾧と来賓によるあいさつに続き、八尾ライオンズクラブから大阪府八尾土木事務所(久宝寺緑地管理者)へ防災かまどベンチを寄贈。同事務所からは寄贈に対する感謝状を頂いた。ベンチの使用開始に際してテープカットを行い、寄贈セレモニーは終了。ベンチ横には設置目的や使用方法を記載した説明プレートを付けており、それを見た人からこんな言葉を頂いた。
「防災かまどベンチは、平常時は憩いのベンチとして、災害発生時には炊き出し用のかまどとして活用出来、広域避難場所に指定されている久宝寺緑地への寄贈はすばらしい事業」

第2部では、八尾ライオンズクラブのメンバーが大規模災害発生時に備えた炊き出し訓練を実施。イベント参加者に防災かまどベンチを使って調理した豚汁を振る舞った。

もくもく元気広場に展示されたパトカーや白バイ、消防車、災害用車両等との記念撮影は、子どもたちに大人気。それ以上に盛り上がったのは、ミャクミャクと園児による「ミャクミャクダンス」だ。元気いっぱいのダンスに参加者は大喜びで、楽しいイベントとなった。

2025.06更新(防災かまどベンチ事業実行委員長/角之倉久志)

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