投稿リポート 写真コンテストで
施設の子らと触れ合い

写真コンテストで施設の子らと触れ合い

松江ライオンズクラブ(實重正樹会長/83人)社会・奉仕・福祉委員会は、2024年11月23日、双樹学院の子どもたちと一緒に松江フォーゲルパークを訪れた。児童養護施設双樹学院は、戦災孤児の養護育成を目的として1945年に設立された。事情により保護者と生活を共に出来ない2歳から20歳までの児童を受け入れ、養育している施設だ。

宍道(しんじ)湖に面した松江フォーゲルパークは、国内最大級の花と鳥のテーマパークだ。室内ガーデンには一年中ベゴニアが咲き誇り、水鳥や熱帯の鳥がいる温室など、園内各所でさまざまな花や鳥と触れ合うことが出来る。今回の企画は、松江フォーゲルパークでの「デジタルフォトコンテスト」だ。双樹学院の児童・生徒とクラブメンバーがペアになって一緒に花や鳥の写真を撮り、ベストショットをコンテストに応募。後日、作品を展示して学院生やメンバーの投票でグランプリを決める。また、学院生には撮影した写真や絵をプリントしたトートバッグをプレゼントすることにした。

秋晴れのさわやかな天候に恵まれた当日、6歳から18歳までの学院生がローカル線・一畑電車の松江しんじ湖温泉駅に集合した。子どもたちもクラブメンバーも最初は少し緊張気味だったが、くじ引きでペアの相手を決め、手作りの紹介カードで互いに自己紹介を始めると、緊張感が緩んで笑顔が出てきた。その後、ペアになって通称「ばたでん」のオレンジ色の電車に乗り込むと、ガタン!ゴトン!と松江フォーゲルパークに向けて出発。電車に乗るのも、園内での写真撮影も、子どもたちはワクワクした様子で、クラブメンバーもまるで自分の子どもと一緒に遊びに来ているかのようだった。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、撮影終了となったところでスイーツタイム。子どもたちは大人に遠慮することなく、自分の好きなもの、食べたいものを言える。少しのわがままを言って甘えられたことは、子どもたちにとって新鮮な出来事だったようだ。後日、双樹学院の院長先生から「決められたものではなく、自分で自由に欲しいものを言うことが出来たのがとてもうれしかったようで、みんな喜んでいた」との話を聞いた。

この日初めて出会い、顔を合わせた者同士、つかの間ではあったが、楽しく有意義な時間を過ごすことが出来たと思う。別れの時間が来て、子どもたちを見送るクラブメンバーは寂しげで、中には涙目でウルウルしているメンバーもいた。

年の瀬も迫った12月26日、双樹学院で行われたデジタルフォトコンテストの表彰式は、会場の飾り付けも進行も学院生の手作りで行われた。グランプリはなんと!小学1年生の男児が受賞し、温かい雰囲気の中、ワクワク!ドキドキ!の表彰式になった。

コロナ禍の影響もあり、近年は直接会ってコミュニケーションを取ることが苦手な人が増えているように感じる。今回の双樹学院生との触れ合いを通じて、思いやりの気持ちや人のつながりの大切さを改めて感じると共に、すてきな思い出づくりが出来た。

2025.05更新(社会・福祉・奉仕委員会委員長/竹内祐子)

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