投稿リポート あなたも誰かのサンタに
サンタ・プロジェクト

あなたも誰かのサンタに サンタ・プロジェクト

長岡長生ライオンズクラブ(長原信幸会長/105人)は、クリスマスを病院で過ごす子どもや、ひとり親家庭の子どもたちに本を贈る「サンタ・プロジェクトながおか2023」への支援事業として、12月5日にホテルニューオータニ長岡の特設会場で絵本・児童書販売会を開催した。

サンタ・プロジェクトは、新潟県新発田(しばた)市にある敬和学園大学の英語教師がアメリカ留学中に得た体験が元になっている。留学先の町の書店では、クリスマスが近付くと店内に飾られたクリスマスツリーに、近隣の病院に入院している子どもの年齢と性別が書かれたカードがつるされ、客がカードを選んでその子に合う本を購入して寄付する活動が行われていた。そこで見知らぬ誰かにさりげなく贈り物をするこの文化を新発田にも広めたいと、2009年にスタートさせた。サンタになりたい人は、協力書店のレジで参加を申し出る。子どもの年齢と性別が書かれたカードを1枚選び、その子に贈りたい本を店内で探して購入、匿名でメッセージを添えると、その本が市内の病院に届けられるという仕組み。地元に戻った同大学の卒業生が仲間と共にサンタ・プロジェクトを立ち上げたことで、県内の新潟市、魚沼市、長岡市でも行われるようになり、更に長野県の長野市と松本市、神奈川県茅ヶ崎市にも広がった。

長岡長生ライオンズクラブは、2020年からサンタ・プロジェクトながおかへの支援を続けている。21年まではクラブメンバーや家族、知り合いがそれぞれ協力店に直接出向いて本を購入していたが、昨年からはクラブの12月第1例会に合わせて、例会場としているホテルの別室に会場を設け、協力書店の一つに出店してもらうようになった。受付で子どもの年齢と性別が書かれたカードを受け取り、本を選び、メッセージを添えてレジで精算。今年は58冊を寄贈した。

病院でサンタクロースに扮したお医者さんからプレゼントが手渡されると、子どもたちは大喜び。NICU(新生児集中治療室)でも、赤ちゃんの見舞いに来たお母さんがパッと明るい顔になるという。コロナ禍中は一般病棟でも子どもたちは付き添いの親ごさん以外の面会を制限され、プレイルームも閉鎖されて院内でのささやかな楽しみすらなくなった。ベッドで過ごすしかなかった子どもたちに、サンタ・プロジェクトのプレゼントは例年にも増して喜ばれたそうだ。

サンタ・プロジェクトながおかは、独自の取り組みとしてフードバンク長岡と連携して、登録しているひとり親家庭の子どもたちにも本を届けている。本を受け取ったお母さんからは、「普段はあまり子どもに本を読んであげる時間がないのですが、子どもにせがまれて読んであげました。楽しい絵本で、子どもといっしょに久しぶりに笑い転げました」という感想もあった。

サンタたちがカードに書いたメッセージもいくつか紹介したい。
「私の子どもが入院中に本のプレゼントを頂いてとても励まされたので、今度は私がサンタさんになって、あなたにプレゼントします」
「僕は中学生のお兄さんサンタです。僕も入院中に本をもらってとてもうれしかったので、今度は僕が入院中の君に贈ります」
「私もひとり親家庭で育ちました。あなたの幸せを祈っています」

後日サンタ・プロジェクトながおかからは、今年目標としていた277冊を達成出来たという報告と共に、当クラブの協力に対する感謝の言葉を頂いた。

誰かが自分のことを気にかけてくれているというメッセージが、その子の支えになればいい。そうした思いが、サンタ・プロジェクトながおかをつないでいる。

もうすぐクリスマス。
「子どもたちの笑顔が増えますように」

2023.12更新(福祉委員長/高橋肇)

●関連記事
「SOバスケットボールの見学体験会を開催」長岡長生LC(2022.08更新)
「37回目となる少年野球大会を開催」長岡長生LC(2021.09更新)
「スポーツのチカラを信じて 講演会を開催」長岡長生LC(2021.05更新)
「市民が憩う悠久山公園の再生化プロジェクト」長岡長生LC(2021.01更新)
「ハンドベル隊が施設のクリスマス会に参加」長岡長生LC(2019.12更新)
「すこやか・ともしびまつりでチャリティー事業」長岡長生LC(2019.11更新)
「こども食堂への支援活動」長岡長生LC(2019.10更新)
「SOアスリートをプロバスケチームが指導」長岡長生LC(2019.10更新)
「スペシャルオリンピックス体験会開催」長岡長生LC(2018.12更新)