投稿リポート 市民が憩う悠久山公園の
再生化プロジェクト

市民が憩う悠久山公園の再生化プロジェクト

1919(大正8)年に新潟県・長岡市に開園した悠久山公園は「おやま」の愛称で親しまれ、古くから市民の憩いの場となってきた。園内には子どもの遊べる遊具や小動物園、中央には自由広場があり、桜を始めツツジ、ハナショウブ、紅葉、更には雪景色と、四季を通じて楽しめる。園内に植えられているソメイヨシノやシダレザクラ、八重桜など、2500本の桜の開花を心待ちにしている市民も多い。毎年春には「悠久山桜まつり」が開催されていたが、残念ながら昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となった。

現在、悠久山公園の桜は樹齢100年を超えて老木化が進み、てんぐ巣病や土壌病害により植え替えが必要となっているものが少なくない。長岡市は昨年、同園の魅力を次世代に継承するため、悠久山公園の再整備計画を立ち上げた。ふるさと納税を活用したクラウドファンディングがスタートし、24年までに伐採が必要な桜約200本の植え替えや、休憩施設の設置、トイレの美装化などが計画されている。

11月7日、長岡長生ライオンズクラブ(加藤尚登会長/86人)はクラブ結成30周年記念事業の一つとして、市民の宝である悠久山の桜を守るため、シダレザクラ5本を第4駐車場脇に植樹し、長岡市へ寄贈した。更に植樹会後には、市民ボランティアの皆さんと一緒に自由広場のクリーン作戦を実施した。親子で参加していたある小さな女の子は、両手いっぱいに落ち葉を抱えて、楽しそうに作業をしていた。マスクを着けていても笑顔が良く分かる。周りにいた大人たちも自然と笑みがこぼれた。

クリーン作戦後は社団法人 長岡市緑地協会の指導の下、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の15番「陸の豊かさも守ろう」の達成につながる活動として、集めた何十袋もの落ち葉を活用した循環型の堆肥づくりを行った。その土地のもので作ると土になじみ良い堆肥になるそうだ。集めた落ち葉を大きな枠の中に敷き、米ぬかを振るい、足で踏み、混ぜる。それを幾重にも重ね発酵を促す。腐敗とは違って、落ち葉を発酵させた堆肥は不思議と臭くないという。ビニールシートでふたをしてひもで縛り、雨よけを施した。雪が解けたら土を切り返し、5月頃にふかふかの堆肥が出来上がる。悠久山公園がフェニックス(不死鳥)のように再生し、これまで以上のにぎわいと家族の笑顔があふれる公園になってほしいと願いながら活動にいそしんだ。

2021.01更新(30周年記念事業実行委員長/髙橋正明)