ライオン誌日本語版2025年春号

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- |海外の奉仕活動 |
ウクライナ
逆境を乗り越えるウクライナ最古のクラブ
トヒルシク ライオンズクブラは、ウクライ
ナで最も古いライオンズクラブだ。
2014年にロシアが軍事介入を強行
して以来、長年続く紛争の中で何
度も大きな困難に直面してきた。に
もかかわらず、クラブメンバーは困っ
ている人々を助け、また互いに助け
合おうという固い意志を貫き続けて
いる。これは、彼らのライオンズ精
神のゆるぎない証しである。
最盛期の同クラブには 25人のメン
バーがおり、青少年支援に重点を
置いて活発に活動していた。が、
2014年に活動域がロシアの占領地
13 LION
2025 年春号
になると、クラブは危険から逃れる
ためドネツク州北部の都市スビャト
ヒルシクへと拠点を移した。
しかし、これで完全に危険から
逃れられたわけではなかった。22
年 2月に始まったロシアの侵攻で、
例会などに使用していた施設が破
壊されてしまう。クラブはこれまでの
歴史が刻まれた資料や備品など全
てを失ったが、それでも困っている
人々に奉仕したいという思いが失わ
れることはなかった。現在のメンバー
は 12人。一部は他国に避難してい
るが、Zoomを介しての例会を続け
ている。
「私たちのクラブは小さな家族の
ようなものです。私たちは前向きな
精神を持ち続け、距離が離れてし
まったことも政治情勢も関係なくお
互いをサポートしています」
とクラブ会長のヴィラ・グリアドゥ
シャ。今、クラブには成人した初期
メンバーの子どもも入会。皆で春祭
りを祝ったり、年度末に 1年を総括
する例会を開いて今後のプロジェク
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ル」のクラブ名で結成されたスビャ
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1997年に
「ドネツク・ユニバーサ
トや計画について話し合ったりと、
可能な限りクラブの伝統を守り続け
ている。
クラブの最近のプロジェクトの一
つに、地域社会と協力して建設し
た、
ブランコなどの遊具や芝居小屋、
パフォーマンス用の小さなステージ
を備えた公園「妖精の森」がある。
あらゆるものが破壊された中で、親
が子どもと一緒に行ける場所を提供
する重要な事業だった。
14年以来、クラブは
「平和」とい
うテーマに特に力を入れてきた。車
いすアスリートなども参加する平和
マラソンや、平和フェスティバル、ま
たライオンズ国際平和ポスター・コン
テストに毎年参加し、応募作品の展
示会も開催する。17年に埋めた平
和タイムカプセルには、子どもたち
が平和への願いを書いた紙が入っ
ている。取り出すのは 2050年。平
和が訪れた中で、そのメッセージを
読むのがクラブメンバーの夢だ。世
界に平和を広めること、それが彼ら
の最大かつ最も重要な目標である。
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