投稿リポート
稲刈り体験で学ぶ
実りの秋
埼玉県・春日部中央ライオンズクラブ
#環境保全
#青少年支援

秋晴れに恵まれた9月11日、春日部中央ライオンズクラブ(14人)の主催で、市内の小学校5年生を対象とした稲刈り体験学習を行った。黄金色に実った稲穂が一面に広がる田んぼに足を踏み入れると、子どもたちは「すごい!」「本当にお米がなってる!」と歓声を上げ、普段食卓で目にするお米がどのように育つのかを肌で感じていた。
今回の体験学習は、総合学習の一環として「食と農のつながり」を学ぶことを目的としたものだ。地域の農家の方々が先生役となり、鎌の使い方や稲の刈り取り方を丁寧に説明した。最初は「うまく刈れるかな」と不安そうにしていた児童たちも、実際に鎌を手にすると次第に慣れ、友だちと声を掛け合いながらリズム良く稲を刈り進めていった。
稲を束ねる作業は、手のひらにチクリとした感触を覚えたり、稲穂からこぼれる籾(もみ)を拾ったりと、教室では決して味わえない体験だ。ある児童は「最初は大変だったけど、だんだん楽しくなってきた。お米を作るのは本当に大変なんだと分かった」と笑顔で話していた。また別の児童は「毎日食べているごはんのありがたさを感じた。残さず食べたい」と、食に対する意識の変化を語ってくれた。
農家の方によると、今年は天候にも恵まれて稲の出来は上々とのこと。「子どもたちが汗をかきながら一生懸命刈ってくれる姿を見て、とてもうれしい。こうした体験を通して農業の大切さを知ってもらえたら」と期待を寄せていた。
収穫した稲は、精米して給食用に提供し、自分たちの手で収穫した新米を味わう計画となっている。子どもたちは「早く食べてみたい!」と今から心待ちにしている様子だった。
現代では、便利な生活の中で農業や自然とのつながりを実感する機会が少なくなっている。今回の稲刈り体験は子どもたちにとって、自然の恵みを実感し、日々の食事への感謝を育む貴重な学びの場となった。
稲穂の香りと子どもたちの笑顔に包まれた一日は、秋の実りの豊かさと、食を支える人々への感謝の気持ちを改めて実感させてくれる時間となった。
2025.09更新(会長/新井康紀)