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ドイツライオンズを
視察して
国際理事 仁科良三

5月2〜7日、国際理事候補者として次の三つの目的を持ってドイツを訪問した。
①ライオンズクラブ事務局を訪問し地域貢献活動と国際的な取り組みの視察、協力の可能性の探求。組織構造や日本との違いの確認
②ドイツの教育システムや学校文化の視察、異なる教育方針とその効果の比較
③ドイツの介護施設の運営やサービス内容の理解、介護現場の課題と解決策の学び。 ドイツ特有の文化やコミュニケーション方法の現地視察
ドイツと日本は直系家族制度が同じである。つまり長男が家督相続し、次男三男は優秀であっても家を出なければならない、その優秀な次男三男が精強な軍隊をつくり、戦後は優秀な工業社会をつくった。
ライオンズクラブの組織においては、両国で大きな相違点がある。ドイツライオンズの特徴と違いを知ることは、今後の日本ライオンズの在り方を考える上で、大きな意義があると考える。
【ドイツライオンズの特徴】
♦複合地区が一つ
ドイツ全国をカバーする111複合地区の中に、17の準地区(例: 111-NW、111-SNなど)がある。複合地区は「国事務局(Gesamtbüro)」で統括される。
♦中央集約型の事務局運営
事務局は原則として1カ所に集約(現在はウィースバーデン)。非常に効率的な組織で、会員データや財務の他、全国レベルの活動や広報も一元管理し、デジタル化も進んでいる。
♦全国統一の戦略
教育(Klasse2000)、衛生(WASH)、青少年(Youth Camps & Exchange)など、全国規模で統一的に実施する重点プログラムがある。個々のクラブの活動もあるが、ドイツ全体で一つのブランドとして動いている感覚が強い。
♦国際協調に積極的
EU内での他国との連携や、難民・戦争被害者支援などの活動に、ドイツ国内のクラブ全体として関わる姿勢が顕著。ウクライナ支援や発展途上国の医療支援など、国境を越えたプロジェクトが多い。
【日本との違い】
♦複合地区の数
ドイツ:1(111複合地区)
日本:8(330〜337複合地区)
♦事務局の構成
ドイツ:中央に一つの事務局
日本:各複合地区ごとに独立した事務局
♦運営の一体性
ドイツ:高い(全国統一戦略)
日本:地域独立
♦重点プログラム
ドイツ:統一されている(Klasse2000など)
日本:地域によって異なる
♦組織の柔軟性
ドイツ:スリムで効率重視
日本:地域密着・自治が強い
2025.08更新(国際理事/仁科良三<長野みずずライオンズクラブ>)
