獅子吼 喜寿ライオンの独り言
松浦則雄(北海道・函館北斗LC)

私は一昨年(2023年)コロナ禍の後遺症で半年有余引きこもり、老人性うつ病に罹患(りかん)。しかしライオンズクラブメンバーのフレンドリーな励ましのおかげで、再び健康生活を取り戻した。37年に及ぶライオンズライフに、ただただ感謝感激する気持ちで、残りの人生を「生ききる気持ち」をしたためた。
恐るべし「オイル(老いる)ショック」。されど驚くことなかれ。「がんばらないけど諦めない」「成るように成るさ」といういい加減の精神が問題を解決する。
団塊世代の我らは、昔トイレットペーパー不足に激震が走った「オイルショック」のリアルタイムの体験者だ。
時は、1973年10月31日。大阪・千里ニュータウンのスーパー「大丸ピーコック 千里中央店」の従業員、清水暉人さんは目を疑った。突然、主婦たちが押しかけ、トイレットペーパーを次々に買い求めていく。これまで、トイレットペーパーを買うための行列なんて見たことがなかった。訳が分からない。行列騒ぎは連日起き、新聞やテレビを通じて全国へ伝えられた。
件(くだん)の「トイレットペーパーがなくなるようだ」というデマ風評が、一夜にして日本中を震撼(しんかん)させ、それによる不安心理が原因だとの一説がある。当時教科書にも載った第四次中東戦争による石油不足がもたらした、歴史的「オイルショック」事件。
あれから半世紀余り。老いることは、老朽化による車両故障とは似て非なるもの。生きていることすなわち、いずれ老いることだ。必ず訪れる「老いるショック」こそ、不安心理の根源である。今ここにいる自分、これまでの通過点が老いることそのものだ。
高齢者はいずれ、歯・目・耳・肩・腰・ひざなど、ところ構わず老朽化する。この時に起きる「老いるショック」に一喜一憂することなかれ。生きているだけで丸もうけ。自然体に任せてその日を楽しもう。「老いるショック」を悲観し過ぎると、心の病いを誘発する。更に悪化すると、うつ病になる。解決方法は、なるようになる・何とかなると「楽天的いい加減な気持ちにチェンジ」するのが特効薬だ。
今・ここ・自分はその時その一瞬しかない。無常の時間軸。諸行無常(しょぎょうむじょう)は仏教用語で、この世の現実存在(森羅万象)は全て、姿も本質も常に流動変化するものであると説く。更に一瞬といえども、存在は同一性を保持することが出来ないことを言う。「諸行」とは因縁によって起こるこの世の現象を指し、「無常」とは一切が常に変化し、全てが不変のものはないという意味。
ちなみに「無常」の対義語は「常住」と言う。日々楽しみ喜ぶ「安寧」が快く継続する「常住」の平々凡々な生活は、自分の心がけ一つで、実現出来るものと確信する。健康に回復したライオンの独り言。
※「オイルショック」に関する記述の出典:Wikipedia「トイレットペーパー騒動」
(2014年度331-C地区ガバナー/1988年入会/76歳)
2025.08更新