取材リポート 大阪・関西万博で
ミライ献血会議

大阪・関西万博でミライ献血会議
「ミライ献血会議」のプレゼンテーション

6月22日、大阪・関西万博の会場内にあるフェスティバルステーションにおいて、「ライオンズフェスタ2025 ミライ献血会議」が開かれた。万博のサブテーマの一つ「いのちをつなぐ」のスローガンに合わせて、さまざまな方法で献血を知り、体験し、考え、次代につなげていくことを目的に、335-B地区(大阪府・和歌山県/古川繁浩地区ガバナー)が企画した。

大阪・関西万博特別委員会の森田健一郎委員長(吹田江坂ライオンズクラブ)には、「献血とは小さな積み重ねの活動であるが、これを大きなイベントとして取り上げ、これから未来を背負う若者に献血について考えてもらうきっかけにしたい」との思いがあった。

万博のテーマソング「この地球(ほし)の続きを」に合わせて子どもたちが踊る「みゃくみゃくダンス」でイベントは開幕。第1部ウェルカムセレモニーでは、古川地区ガバナーのあいさつに続き、城坂勝喜国際理事(大阪港ライオンズクラブ)による基調講演が行われ、国際理事としての活動報告とライオンズクラブの紹介が行われた。会場内は立ち見が出て、中に入りきれないほどの状況。ライオンズメンバーだけでなく一般来場者も耳を傾けていて、ライオンズクラブを知ってもらう良い機会になった。

午後からのプログラム第2部では「ミライ献血会議」のプレゼンテーション大会が開催された。この大会には、高校生、大学生などのグループ20組余りが応募。書類選考の後、動画やZoomなどによる予選を勝ち抜いたファイナリスト11組が決勝プレゼンテーションに挑んだ。日頃から献血推進の奉仕活動に励む兵庫県・尼崎レオクラブを始め、ファイナリストはいずれも献血に対し高い意識を持っている。1組につき5分という限られた時間ではあったが、どのグループも短い時間の中ですばらしい提言を行った。

若者たちの「未来への提言」には、小学生らを対象とした「献血体験」、会社の定期健康診断と同時に献血を行う「ついでに献血」の制度化、「献血有給制度」の導入、学校教育における「献血の義務化」、献血で「単位認定」など、献血者数を増やすための斬新なアイデアが数多く提案された他、日本赤十字社が提供する献血アプリ「ラブラット」をもっと面白いものにすべきという意見が出されるなど、会場に集まった人たちを驚かせた。

大阪赤十字献血センターの平山文也所長は「高齢化が進み、若年層による献血が求められる中、このように若い世代の意見を直接聞くのは初めての機会で、今まで考えてこなかったような新たな視点を得ることが出来た。学生たちの提言を今後の献血の推進に役立てたい」と話していた。

続いて、大阪及び和歌山の学生献血推進会議メンバーにより、実体験を通じた献血の問題点についての説明と、これからの献血の在り方についてのトークセッションが行われた。

ミライ献血会議におけるプレゼンテーションの審査ポイントは、課題解決性、共感性、革新性、実現性、持続性そしてエンタメ性の六つ。すばらしい提言ばかりで、審査員5人は頭を悩ませながら、最優秀賞(グランプリ)1組、特別賞3組を選考した。最優秀賞を受賞したチームには、今年11月に大阪で開催される「オセアルレオフォーラム」への招待券がプレゼントされた。

第3部は、舞台を櫓(やぐら)に見立てて、会場内のみんなで河内音頭(盆踊り)を踊って盛り上がり、「ミライ献血会議」は幕を閉じた。献血のタスキを次世代へとつなぐため、ライオンズクラブは今後も献血関連学生団体と協力しながら、活動を推進していく。

2025.07更新(取材/北岸秀規<滋賀県・大津びわこ比叡ライオンズクラブ>)