投稿リポート
小児病棟の付き添い家族
のため電子レンジ寄贈
東京赤坂ライオンズクラブ
#小児がん
#人道支援

「小児病棟には電子レンジがないため、食事を温めて食べることが出来ない」
入院中の子どもに付き添う家族のこんな声を聞き、東京赤坂ライオンズクラブ(34人)は6月10日、東京都府中市にある都立小児総合医療センターに電子レンジ10台を寄贈した。
厚生労働省の患者調査(令和4年)によると、入院する子ども(0~14歳)の数は調査日時点で2万2400人。この数字からおおよそ年間80〜100万人の子どもが入院していると推測される。この数は入院患者全体の2%に過ぎないが、子どもの入院には家族の大きな負担が伴うことはあまり知られていない。子どもの入院に付き添う家族の8~9割は、食事介助、排泄(せつ)ケア、清潔ケア、服薬、見守り、寝かしつけ、遊び、精神的支援など多岐にわたる世話やケアを担う。子どもの年齢が低い場合には病室に泊まり込みで、片時も目を離すことが出来ない。
つらく、不安を抱えた付き添い家族の食事や睡眠の環境整備は不十分なものだ。付き添い中は決まった時間に食事が出来ず、子どもが眠った隙に病院内のコンビニエンスストアで買い物をしても、温める暇はなく、温めたとしてもすぐに食べられるとは限らない。そもそも毎日コンビニ食では栄養が偏ってしまう。
睡眠は、小さな子ども用ベッドに体をかがめて添い寝する人も珍しくない。簡易ベッドを借りて子どもの隣に設置出来たとしても、多くの医療機器が作動する中で寝返りも打てず、眠ることもままならない。そうした環境下で体調を崩す家族も少なくなく、小児病棟の付き添い家族を取り巻く過酷な環境の改善、特に食事と睡眠の改善は喫緊の課題となっている。
東京赤坂ライオンズクラブは、小児病棟の付き添い家族に温かい食事で明日への活力を養ってほしいとの願いを込め、電子レンジ購入のためのチャリティー家族例会を実施して購入資金を集めた。そして、病気の子どもと家族を支援する認定NPO法人キープ・スマイリングの協力を得て、都立小児総合医療センターの病棟9棟に各1台、家族が過ごすスペースに1台、合計10台の電子レンジを寄贈した。
寄贈当日、都立小児総合医療センターでは、東京赤坂ライオンズクラブへの感謝状贈呈式を開催してくださった。その後、クラブメンバーはセンター内を案内してもらいながら、病気の子どもやその家族の不安な気持ちを少しでも和らげ、安心して治療に専念出来る環境を整える施設設計や設備の工夫、ホスピタル・ファシリティドッグ®(病院で活動するために専門的に育成された犬*)の導入、入院する子どもたちの勉強をサポートするための設備や人員の配置などについて説明を受けた。
東京赤坂ライオンズクラブでは引き続き、小児病棟や子どもの入院に伴う家族が必要とする支援を続けていきたい。
2025.07更新(2024-25年度会長/田中裕美子)
*ホスピタル・ファシリティドッグ® は、認定NPO法人シャイン・オン・キッズの登録商標です
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