投稿リポート 地域の過去と未来をつなぐ
歴史教育活動

地域の過去と未来をつなぐ歴史教育活動

藤枝ライオンズクラブ(青島孝之会長/47人)が活動域とする藤枝市は、かつて静岡県にあった志太(しだ)地域(現・焼津市、島田市、藤枝市)の中心だった。古くは志太郡衙(ぐんが)や益頭郡衙などの役所が置かれ、江戸時代には田中藩の中心地及び宿場町・藤枝宿として栄えた、歴史と自然の豊かさで知られる場所だ。しかし時代の変遷と共に、これらの価値ある歴史的遺産は忘れ去られつつある。そうした中で当クラブでは、歴史的遺産を守り次世代に継承することを重要な環境保全活動と捉えている。

11月12日には、藤枝市主催の東海道界隈(かいわい)をフィールドとした体験交流プログラム「みちゆかし」の一環として、「家康もあやかったパワースポット田中城の御城印がもらえるご利益ウォーキング」を実施。NHK大河ドラマ『どうする家康』の主人公・徳川家康が好んで訪れたとされる田中城周辺の史跡やパワースポットを巡った。当日は天気に恵まれ、絶好のウォーキング日和だった。参加者は予定していた30人を超える40人がエントリー。4グループに分かれ、クラブメンバーのガイドでウォーキングを実施した。地元の小中学生を「歴史ナビゲーター」として迎え、彼らが学んだ郷土の歴史を参加者に伝える機会も設けた。子どもたちは自宅でしっかりと準備をして発表に臨んだ。子どもたちが地域の歴史をより深く理解し、自分の言葉で伝える貴重な機会になったと思う。参加者からは、ガイドの質の高さとプログラムの充実度に対し非常に高い評価を頂いた。特に歴史ナビゲーターによる史跡案内は好評で、ウォーキングを楽しみながら地元の歴史への理解を深めたようだ。

他にも当クラブが作成した「田中城検定」を実施。これは田中城に関する問題20問から成る検定で、全問正解者には石で出来た「御城印」が贈呈される。検定を通じて、参加者に田中城の歴史について深く学んでほしいと考えた。検定には20人が挑戦し、4人が全問正解。御城印を受け取った人たちは感動した様子で、私たちにとっても大きな喜びとなった。

ウォーキング参加者や歴史ナビゲーターの子どもたちには土産として、家康公にちなんだ「勝草餅」や「藤八柿」などを渡した。「勝草(かちくさ)=かちいくさ」といった語呂合わせや、藤八さんが献上した大きな柿「大柿=大垣城」を食らうことから、関ヶ原の合戦前に縁起が良いとして、家康公がとても喜んだとされる。

イベントに協力してくれた方々、特に児童・生徒と藤枝市の街道・文化課のスタッフ、そして参加者の皆様に心から感謝申し上げる。皆様のおかげで、私たちは地域の環境を保全し、歴史を次世代に継承するという大切なミッションを果たすことが出来た。これからも歴史と自然が調和し、永遠に愛され続ける藤枝市のために、活動を続けていきたい。

2023.12更新(環境保全委員長/佐野雅基)