投稿リポート ろう学校で走り方教室開催

ろう学校で走り方教室開催

埼玉県立特別支援学校大宮ろう学園は、幼稚部から小学部、中学部、高等部まで一貫した聴覚障がいの専門教育をしている。寄宿舎も備えており、寄宿生活を通して自立する力を身に着けることが出来る。大宮グリーン ライオンズクラブ(松本真実会長/38人)は11月7日、同学園の中学・高校生70人を対象に、走り方教室を開催した。講師を依頼した渡辺潤一氏は100m、200m、400mの年齢別アジア記録保持者で、2015年世界マスターズ4×100mリレーの金メダリストでもある。今回の教室ではろう学園の先生方による手話通訳を交えながら指導するという、渡辺講師にとっては初の試みだった。

まずは、生徒たちに順番に歩いてもらうことからスタートした。渡辺講師は、歩く姿を見ただけで速く走れるかどうかが分かると言う。それから、手、足、おなかをほぐす体操で軽くウォーミングアップ。筋肉を柔らかくすることがとても重要だそうで、時間をかけてほぐしていった。次は何と「赤ちゃんになったつもりで、ハイハイをしてみましょう」と、全員が四つんばいに。大人になるとどうしても腕と足の力を使ってしまうが、赤ちゃんは体全体を使ってハイハイをしているのだそうだ。そのやり方を学ぶのだが、これが意外と難しい。それから、「ハイハイをしてから立ち上がって全力で走る」ことを何度も繰り返した。

渡辺講師の指導を、ろう学校教師が手話で通訳

「運動が苦手な子、足を上げることや理解がなかなか難しい子もいましたが、皆一生懸命に渡辺講師の指導に従ってチャレンジする中で、動きがどんどん良くなっていきました。短い時間ですが、みんなが走れるようにと2グループに分けて行った鬼ごっこでは、教頭先生も加わって大いに盛り上がりました。何よりも、参加した生徒たちからたくさんの笑顔や笑い声が発せられたことが、主催した私たちにとってうれしいことでした」と松本会長。

生徒からは、「正しい歩き方や走り方が分かってとっても良かった」「ハイハイで足が速くなるのは意外だった」「マラソン大会が近付いているので、この経験を生かしたい」などの感想をもらった。少しでも楽しい時間、今後に生かしたいと思える時間を提供出来てよかった。これからも、たくさんの笑顔に出会えるような奉仕活動を行っていきたい。
 
2023.12更新(幹事/鷲谷みさ江)

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