投稿リポート 都沢湿地を守る
水辺環境保全事業

都沢湿地を守る水辺環境保全事業

鶴岡市西部に位置する高館山山塊には、ラムサール条約に登録されている大山上池・下池がある。その下池の東に広がる都沢湿地は約7.7ヘクタールの低湿地で、江戸時代から田んぼとして利用されてきた場所だ。しかし暮らしの変化によって1999年には全域で稲作が終了。その後は、下池からしみ出る水によって貴重な湿地生態系が作り出され、多様な湿性動植物が見られるようになった。そこで多くの人たちが話し合い、この環境を守り再生させていくことを決定、2008年にはラムサール条約に登録された。

現在は、湿地再生の課題である乾燥による陸地化や、外来動植物増殖の解決に取り組んでいる。鶴岡朝暘ライオンズクラブ(33人)は2018年からこの活動に参加し、年間を通じて都沢湿地の保全管理に携わっている。主な活動に、①外来生物捕獲大作戦、②親水水路の草刈り、③マコモの刈り取り、③大山下池の外来植物駆除、④都沢湿地の草刈り、といった作業への参加がある。また2022年には、都沢湿地などの豊かな自然を活用して自然と触れ合い学習する場である鶴岡市自然学習交流館「ほとりあ」へ本を寄贈した。

市民参加のイベントでは、家族や山形大学の学生など多くの人がヨシやマコモなどの大型湿生植物を刈り取ったり、外来生物を捕獲したりといった活動に取り組む。これによってホタルやトンボなどが好む開けた水辺環境が作り出されるだけでなく、参加者同士の交流も生まれている。鶴岡朝暘ライオンズクラブとしても、引き続き環境保全活動に力を入れていきたい。

2023.11更新(会長/金内広和)