投稿リポート きのこ文庫で見付かった
ビル・ゲイツ氏の贈り物

きのこ文庫で見付かったビル・ゲイツ氏の贈り物

京都市左京区にある京都府立植物園に、京都平安ライオンズクラブ(27人)が38年前に寄贈した「平安の郷(さと)こども文庫 きのこの家」(通称:きのこ文庫)がある。このきのこ文庫でビル・ゲイツ氏からの贈り物が見付かったことが、5月19日に西脇隆俊府知事から発表された。発見されたのはゲイツ氏が世界100カ所の「リトル・フリーライブラリー(町の小さな図書館)」に寄贈した「人生で読んだ最高の本5冊」で、植物園はこれを記念して寄贈書籍の展示を行っている。

贈られたのは以下の5冊で、ひそかに書架に置かれ、全ての書籍にナンバー入りのゲイツ氏からのメッセージカードが添付されていた。
①Stranger in a Strange Land(邦題:異星の客) Robert Anson Heinlein著
②Surrender: 40 Songs, One Story(邦題:ボノの回顧録) Paul David Hewson (Bono:U2)著
③Team of Rivals(邦題:リンカーン) Doris Kearns Goodwin著
④The Inner Game of Tennis(邦題:インナーゲーム) W.Timothy Gallwey著
⑤Mendeleyev’s Dream(邦題:メンデレーエフ元素の謎を解く) Paul Strathern著


   
ゲイツ氏は熱心な読書家で、毎年年末を前にその年に読んだ本の中から「年末年始に読むべき5冊」を選び、自身のブログで紹介している。2022年11月には「人生で読んだ最高の本5冊」を紹介し、世界100カ所のリトル・フリーライブラリーにプレゼントすると発表した。ブログには世界100箇所の地名が記され、日本で記載されていたのは京都のみだった。

きのこ文庫は1985年4月、クラブ結成25周年記念事業の一環として寄贈した野外子ども文庫で、植物園正門を入ってすぐ西側の「未来くん広場」エリア内にあり、入場者は誰でも自由に利用出来る。子どもたちに自然の中で豊かな心と感性を育んでほしいと、キノコ型の図書収蔵庫3基を設置。その後、40周年を記念して1基を増設して「平安の郷」として整備した。クラブでは「次の時代を託す子どもたちにいつまでも親しんでほしい」という先輩メンバーの願いを受け継ぎ、収納図書の補充や整理、清掃を続けている。4基の図書収蔵庫には約2400冊が収蔵され、これまで寄付された図書は約3200冊に上る。

当クラブは結成から63年にわたり、青少年育成、国際交流に重点を置いて活動してきた。先輩が築いたきのこ文庫という奉仕の柱と、それを受け継ぐメンバーの絆を確かめつつ、今回の喜びを分かち合いたい。今後は、奉仕のよりどころとなっているきのこ文庫を拠点に、更にイマジネーションを広げて、他分野にわたるテーマをつなぐことも考えていきたい。

2023.07更新(会長/城次達也)

●関連情報(外部リンク)
京都府ウェブサイト/京都府立植物園
https://www.pref.kyoto.jp/plant/news/20230519bill.html
*寄贈書籍の展示は、8月31日まで行われる予定