投稿リポート 大学、企業との連携による
眼鏡リサイクルが本格始動

大学、企業との連携による眼鏡リサイクルが本格始動
マレーシア国民大学の協力で実現したジョホール州での視力検査と眼鏡の配布

2019年春、335複合地区のグローバル奉仕チーム(GST)と甲南大学(兵庫県神戸市)の合同プロジェクトとして眼鏡リサイクル活動が始まったが、その直後に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大で当初計画していた活動が停止せざるを得ない状況になった。しかしその間も、甲南大学の学生が中心となって近隣の小中学校の児童・生徒たちに協力を呼びかけ、家庭で不要になった眼鏡を収集。それらを分別・梱包をしたものを2022年1月に332-C地区(宮城県)が運営するライオンズ眼鏡リサイクルセンターに委託することが出来た。この経緯については、ライオン誌ウェブマガジン22年2月号「THEME」に取り上げられた。

当事業の最初の計画では、甲南大学とつながりのあるマレーシア国民大学と連携し、集めた眼鏡を大学生が現地へ持参して配布することを目指していた。今年5月、この計画の実現に向けて、甲南大学のシャーリ・ヤマモト特任講師が、収集した眼鏡を持ってマレーシアを訪問。その後、マレーシア国民大学の教授の引率で学生グループが南部ジョホール州の漁村を訪れ、コミュニティー・サービスの一環として地域住民の視力検査を行い、必要とする住民に眼鏡を配布した。

今回は日本から手荷物で運搬するという制約があり、マレーシアに持ち込むことが出来た眼鏡は100個のみだった。これらは、活動に賛同した株式会社ビジョンメガネ(大阪市)が、今年1月から3月にかけて店頭で回収した眼鏡の一部で、丁寧に洗浄し度数測定をした上で335複合地区に寄贈してくれたものだ。現地からの報告によれば、眼鏡が必要と心算された11人に対して、完全に度数の合ったものが提供された。これは、過去の経験と比較しても驚異的な適合率だそうで、日本国内でしっかりとした準備が行われた結果と評価された。

全国15都道府県で104店舗を展開するビジョンメガネでは、不要になった眼鏡を店頭で回収する取り組みを今年に入って本格化し、昨年のテスト期間を含めた約7カ月間で1100個以上を集めた。更に、6月9日「リサイクルの日」に合わせて6月を「リサイクルメガネ引き取り強化月間」とし、来店客に提供を呼びかけている。

世界保健機関(WHO)が2019年に発表した目の疾患に関する調査報告書によれば、世界で22億人が何らかの目の疾患を抱え、8億人以上が眼鏡を必要としているという。持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成に向けて眼鏡リサイクルは重要な活動だ。335複合地区では今後この活動を加速するために、多くの協力企業・メンバーと手を携えて、インドネシアやモンゴル、カンボジアなどの人々に眼鏡を届けられるようにしていきたいと考えている。

ご協力くださる方は、335複合地区ガバナー協議会事務局(TEL:06-6345-3135 Eメール:md335@lionsclubs.gr.jp)へお問い合わせいただきたい。

2023.06更新(335複合地区GSTコーディネーター/増本盛美)

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●関連情報(外部リンク)
株式会社ビジョンメガネ(不要眼鏡引き取り) 
https://www.vision-megane.co.jp/news/detail.php?info_id=134