投稿リポート コロナ禍中の
フィリピン支援事業

コロナ禍中のフィリピン支援事業

334-E地区(長野県)では1977年から半世紀近くにわたり、日本・フィリピン合同医療奉仕活動(JMM)を実施してきた。これは、毎年2月頃に当地区のライオンズ会員とボランティアの医師、看護師など、百数十人規模の医療奉仕団がフィリピンを訪れ、同国のライオンズと共に貧困世帯を対象に無料で医療を提供するものだ。数カ所の会場で2日間にわたり内科、歯科、眼科の診療が行われ、多い年には延べ1万人以上が受診する、地区を代表する奉仕事業の一つである。

しかし新型コロナ感染拡大の影響で、2021、22年は中止せざるを得なくなってしまった。それでもコロナ禍の中、更に困っているであろうフィリピンの子どもたちのためにと中村通地区ガバナー(当時)は同事業賛同者の会員に支援金を募り、集まった126万円を「フィリピンの子どもたちへの支援金贈呈」として大会記念事業とすることを、21年4月に開催された第67回334-E地区年次大会で発表した。その事業の実務を請け負ったのが、長野千曲ライオンズクラブ(44人)の長野J&P国際交流支部(奥津グレース支部会長/7人)であった。同支部はJMMの通訳経験者ら長野在住のフィリピン人がメンバーとなり、日本とフィリピンの文化・教育などの交流に取り組むことを目的に誕生した「スペシャルティクラブ支部」である。

コロナ禍のため現地視察はかなわず、フィリピン大使館との調整が難航するなど厳しい状況ではあったが、フィリピンの301-D2地区と連携をしながら一つずつハードルを乗り越えていった。そして計画通り21年12月のクリスマスに間に合うように、下記の医療、教育、食料等の支援奉仕事業を実現することが出来たのである。

①子どもの心臓カテーテル手術補助(50万円)
②パソコン支援等、ラウニオン州の学校への教育サポート(10万円)
③各地を訪問しての眼科検査支援(12万円)
④バタンガス州の修道院を通じて187の貧困家庭へクリスマスプレゼントとして食料パッケージを提供(12万円)
⑤イロイロ市の学校施設支援(12万円)
⑥ダバオ市の遠隔地の診療所にベッドといすを寄贈(10万円)
⑦ファミリー食堂の食料配布支援(15万円)

今回の支援活動の中でも特に、心臓カテーテル手術への支援は10人の子どもの命を守ることにつながり、非常に感慨深い。コロナ禍で活動の方法は変わったが、フィリピンへの支援事業を継続することが出来、すばらしい実績になったと思っている。

2022.03更新(会長/山田啓文)