投稿リポート 園児が育てた花で
動物園を飾ろう

園児が育てた花で動物園を飾ろう

岡山市にある池田動物園は、1953年の開園以来一度も公的資金援助を受けずに民間経営を続けてきた、全国でも稀有(けう)な動物園だ。苦しい経営状態の中でもさまざまな工夫を凝らし市民に親しまれてきたが、コロナ禍によって大変苦しい状況に置かれている。この窮状を知った市民の有志が立ち上がり実行委員会を結成、「池田動物園 動物たちと花フェス2022」というイベントを計画した。2月25日~3月27日の約1カ月間に、約2万本の花を動物園内に飾り、来園者に楽しんでもらおうという企画だ。

336-B地区2リジョンに所属する4クラブ(岡山西、岡山あげは、岡山せとうち、岡山マスカット ライオンズクラブ)は合同奉仕事業としてこの花フェスの中で、市内の幼稚園児たちにチューリップを育ててもらって動物園に飾る事業を企画した。単にクラブの実行委員会メンバーが動物園に花を並べるよりも、実際に動物園を利用する子どもたち自身が育てた花で園内を飾る方が数倍も価値があると考えたからだ。

地元のホームセンターにこの趣旨を説明したところ賛同を得られ、チューリップの球根約2000個とプランター100個を無償で提供してくれた。四つのライオンズクラブは手分けして市内11カ所の幼稚園や認定こども園(園児総数1700人)に球根とプランターを配布、栽培方法を説明した。2月15日につしま幼稚園で実施した贈呈式では、園児たちが整列して「ライオンズクラブさんありがとう、毎日お水をあげて一生懸命育てます!」というメッセージを贈ってくれた。クラブ会員一同大変感動し、充実した活動が出来たと大満足した次第である。この様子は地元放送局に取材され報道された。

園児たちには1カ月半程度、水やりなどの世話を通じて花を育てる作業を体験してもらい、つぼみが開きそうになった頃に連絡をいただいて我々が花フェス会場にプランターを運び込む。このイベントでは会期終了後も展示を撤収せずに、来園者に花を楽しんでもらうことにしている。園児たちには家族と一緒に動物園を訪れ、咲き誇るチューリップを楽しんでほしいと願っている。当クラブではこれからも継続事業として毎年実施する予定である。

2022.03更新(岡山あげはライオンズクラブ第1副会長/谷口真吾)