投稿リポート バリアフリー船で行く
鵜飼観覧の夕べ

バリアフリー船で行く鵜飼観覧の夕べ

1985年、環境庁(現・環境省)が「名水百選」を選定した。そのうちの一つである岐阜県長良川中流域は、鵜飼(うかい)が行われていることでも有名である。長良川の鵜飼は日本で唯一皇室御用とされており、宮内庁式部職の鵜匠(うしょう)が執り行うのが特徴だ。使用される鵜飼用具一式122点は国の重要有形民俗文化財に指定されている。

岐阜西ライオンズクラブ(杉野正次郎会長/93人)では、1998年から「鵜飼観覧の夕べ」を開催している。伝統ある鵜飼を観覧してもらおうと市内や近郊のスポーツ少年団や福祉施設の方々、施設入院患者などを招待している。青少年や社会的ハンディキャップがある方々に地域の歴史や先人たちが守り続けてきた文化のすばらしさを感じてもらい、夢や希望を持ってもらうことが狙いだ。当クラブの活動をきっかけに、2001年にはバリアフリー船が登場。車いすやベッドのままでも乗船出来るようになった。

昨年はコロナ禍でやむなく中止。今年も開催が危ぶまれたが、関係者の協力を得て8月10日に開催した。バリアフリー船3艘(そう)を貸し切り、車いすツインバスケットボールチーム「岐阜エクスプレス」と看護大学の学生、合わせて46人を無料招待。我がふるさとの誇る伝統行事、長良川鵜飼を体験してもらった。例年であれば、出航後に船内で弁当を食べながら長良川の風情を楽しむところだが、感染対策のため弁当はお土産として持ち帰ってもらった。

2021.09更新(MC委員長/伊藤正樹)