国際財団 資源のリサイクルで
地域の環境保護を推進

資源のリサイクルで地域の環境保護を推進

コロンビアのサン・ホセ・デ・ククタ(通称ククタ)は、アンデス山脈東部の山麓に位置する都市。ここでは、都市生活ごみのわずか3.6%しかリサイクルされておらず、残りの96.4%は埋め立て処分されていた。他の自治体も同様で、そのままの状況が続けば、国内321の全自治体の埋め立て地が5年以内に満杯になると予測されていた。

深刻化する廃棄物問題に対処するため、ククタのライオンズは2017年からリサイクル活動の強化に取り組んでいる。市内の10のライオンズクラブは、紙やプラスチックを中心にリサイクル可能な資源の収集と販売を行っている。リサイクル活動への熱意が高じて、彼らは廃棄物処理センターを設立し、年間8トンの廃棄物を処理出来るようになった。

環境保護の取り組みを推進するため、ククタが属するF4地区はLCIFマッチング交付金3万6945ドルを活用して必要な機械設備を購入。リサイクルによる販売収益を地区内の奉仕事業に充てている。

「私たちの地域社会はリサイクルから大きな恩恵を受けています。学生にはコンピューターが、高齢者には再生された車いすが支給されています。マットレス、シーツ、清掃用品などを定期的に配布出来るようになるなど、実にさまざまな活動が実現しています」
こう話すのは、同地区のルス・マリーナ・ロハス元地区ガバナーだ。

ライオンズの活動はそれだけにとどまらない。活動の成果をより拡大するため、家族経営の小規模事業者100軒からリサイクル可能な廃棄物を購入し、選別・洗浄・粉砕・圧縮をして販売。地域の奉仕事業に充てる資金を生み出すだけでなく、小規模事業者のリサイクル推進にも貢献している。
「小規模事業者から出た廃棄物を分別することで、ゴミをより効率的に処分・再利用出来ます。これにより、汚染が減り、地域社会にはより多くの雇用機会と、より健全な環境が生まれます」
と、ロハス元地区ガバナーは述べる。

ライオンズは小規模事業者との協力に加え、ククタ全域で廃棄物を収集するリサイクル協同組合「アレノルテ」とも提携している。アレノルテはライオンズに毎月32トンの廃棄物を提供。廃棄物処理センターの新しい機械でリサイクル処理された資源は、地元企業やコーヒー生産者連盟などに販売されている。

2025.05更新(国際協会配信 文/シェルビー・ワシントン)