国際財団 人にも環境にも
優しい遊び場

人にも環境にも優しい遊び場

カナダ西部に位置し、小さな町ならではの魅力に富んだサスカチュワン州マーテンズビル。この町のライオンズは地域社会のニーズを把握し、障がいのある子どもにも利用しやすく、環境に配慮した遊び場「ライオンズ・モビリティーパーク」を造るという使命に乗り出した。

5SKN地区(サスカチュワン州)のライオンズはこのプロジェクトの資金を集めるため、抽選会やビンゴ大会などの資金調達活動に精力的に取り組んだ。地域社会の協力で資金を得たライオンズは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)に8万4630ドルの人道支援マッチング交付金を申請。この交付金によって、全ての子どもたちが安心して楽しめる遊び場を建設するプロジェクトが本格的に始動した。

公園の地面に用いられる素材はさまざまだが、この遊び場ではゴム舗装を施した。これには子どもたちが安全に遊べる場所にするだけでなく、環境への不可を減らすという大きな目的がある。舗装に使ったゴムは、NIKEシューズ1万3000足の靴底と、1万個のリサイクルタイヤから作られている。リサイクルのゴム素材を使用することで、廃棄されるゴミを減らしたり、原材料の新規需要を削減したり、環境面で多くのメリットがある。また、エコロジカルな取り組みは地域の良き前例となり、明るく環境に優しい未来に向けて継続的な行動を促すことにもなる。現在、ライオンズが造ったこの遊び場は、ゴム舗装の公園としてはサスカチュワン州内で最大で、カナダ国内でNIKE社が関わった最大のプロジェクトの一つでもあり、地域社会に前向きな変化を与えている。

ライオンズメンバーのレスリー・トゥルイットは、「この遊び場には、動物の形をした遊具や車いすのまま使用出来るブランコなど多くの設備があります。訪れる人誰もが楽しめて、全ての子どもたちが子どもらしく遊べる場所にすることを目指しました」と説明する。

ライオンズ・モビリティパークは2023年8月に開設され、オープニングイベントでは楽しく、活気に満ちたエネルギーが感じられた。イベントには約300人が参加。バーベキューで出来たてのハンバーガーやホットドッグを味わい、ゲームに興じたり、新しい遊び場を探索したりした。

誰ひとり排除しないことに重点を置いた公園の建設は、マーテンズビルでは初めての試み。ゴム舗装された公園は関節に負担がかからないため、高齢者がウォーキングを楽しむのにも最適だ。また母親たちは、子どもたちが砂や木くずまみれの靴で帰宅することがなくなったと喜んでいる。

「このプロジェクトは一夜にして実現したわけではなく、完成までに何年もかかりましたが、仕上がりには非常に満足しています。私たちはこのコミュニティーに誇りを持っており、LCIFの支援にとても感謝しています」とトゥルイットは話す。

ライオンズとレオは、環境を保護し、より健全な地域社会と持続可能な世界を築くために懸命に取り組んでいる。LCIFは、それらのプロジェクトを支援するためにさまざまなプログラムを提供する。人道支援マッチング交付金は、ライオンズが地域社会で最も必要とされるものを見定め、それを実現させることをサポートする。人道支援マッチング交付金に関する詳しい情報はウェブサイトを参照。

2024.05更新(国際協会配信 文/シェルビー・ワシントン)