国際財団 青少年のための
1型糖尿病キャンプ

青少年のための1型糖尿病キャンプ

ミネソタ州南部のキャンプ・スイートライフは、美しい木々に囲まれ、きらめく湖に面したのどかな場所にある。ここではカウンセラーが1型糖尿病の子どもたちにさまざまなサポートを提供し、前向きなメッセージを与えている。

子どもの頃に糖尿病と付き合うことは難しいものだ。常に自らを管理する必要があり、重すぎるほどの責任を伴う。5M-2地区(ミネソタ州)のアンナ・ウィッケンハウザー元地区ガバナーは「私は15歳で1型糖尿病と診断された時、自分の世界は終わったと思いました」と振り返る。

キャンプ・スイートライフは、8歳から15歳の青少年を対象とした4泊5日の1型糖尿病キャンプで、5歳から7歳の子ども向けの日帰りキャンプも提供している。認定医療糖尿病キャンプの目標は、楽しく学び、つながる機会を提供し、子どもたちとその家族の生活に変化をもたらすことだ。キャンプには、軽食の時間や栄養教育、血糖値の検査、インスリン管理、ネットワーク作りの機会が含まれている。「このプログラムは、子どもたちが自分で身の回りのことが出来るよう学び、責任感を育むのに役立っています」と、ウィッケンハウザー元地区ガバナーは言う。

このキャンプは2010年に設立されたが、その後10年も経たないうちに参加者数が3倍に増加し、施設が手狭になってしまった。そこで2019年には新たな場所に移転して活動範囲を広げ、参加者とその家族に提供するサポート、サービス、教育の質を向上させた。キャンプへの関心が高まるにつれてスタッフが追加され、カウンセラーとカウンセラー研修プログラムも拡大された。

5M-2地区のライオンズは、キャンプの拡張と強化を支援するためにライオンズクラブ国際財団(LCIF)に交付金を申請。2019年にLCIFから提供された糖尿病交付金37万500ドルは、医療用品、カウンセラーの研修などに活用された。

「LCIF交付金はすばらしい成果をもたらしました。私たちがこのように事業を拡大出来たのはLCIFのおかげです」と話すのは、キャンプ・スイートライフのティモシー・エマーズ会長。ライオンズは他にも、ボランティアとしてキャンプ期間中の設営、登録などの活動に参加している。

今ではより多くの子どもたちが、糖尿病のモニタリングと投薬、年齢層に応じた食事や毎日の身体活動などの糖尿病管理に関する教育体験に参加出来るようになった。学習の機会だけでなく、キャンプへの参加を通じて交流し、仲間同士のサポート・ネットワークを構築する機会も与えられている。

1型糖尿病を患う2人の娘の父親であるエマーズ会長は、「娘は今でもキャンプ・スイートライフで出会った友人たちと年中連絡を取り合っています」と言う。キャンプでの活動には、キャンプファイヤー、ウォーターアクティビティ、美術や工芸、アーチェリー、ダンス、自然探検、グループゲーム、STEMアクティビティ(科学、技術、工学、数学の力を育む遊び)などがある。スタッフの一人は、キャンプをこう絶賛している。
「子どもたちが自信を持って成長していく姿には、目を見張るものがあります。彼らが新しい友達を作り、糖尿病についての知識や対処法を互いに共有する姿を見るのはすばらしいことです」

LCIF糖尿病交付金は、青少年の糖尿病キャンプや包括的なフォローアップケアプランを伴う糖尿病スクリーニング、既存の糖尿病ケア施設のインフラ整備や備品購入、専門家や地域の糖尿病教育者の研修を支援する。糖尿病助成金に関する詳しい情報は、ウェブサイトを参照。

2024.04更新(国際協会配信 文/シェルビー・ワシントン)