投稿リポート 能登の被災地で
熊本地震の恩返し

能登の被災地で熊本地震の恩返し

2024年1月1日に発生した能登地震で、337-E地区(熊本県/伊藤竜彦地区ガバナー)のメンバーに大きな衝撃が走った。2016年4月に発生した熊本地震の時の恐怖がよみがえってきたからだ。繰り返し起こる余震、食べる物はなく電気は止まり、トイレも使用出来ない状況。そして、先の見えない恐怖や避難所での心細さ、車中泊での眠れない夜。そんな当時の体験を思い出し、1月の能登はどんなに寒いだろう、空腹ではないか、家族とは会えただろうか、という思いで報道を見ていた。

大災害を経験した熊本のメンバーだからこそ何か出来ることはないか、役に立てることはないかと声が上がり、1月30日に行われた地区アラート委員会で協議して以下のことを決定した。

①地区内会員有志で能登地方での支援活動を行う。支援内容は2020年の県南豪雨水害で培ったノウハウを生かし、被災した住宅のがれきや家財道具の撤去とする
②資金は地区緊急アラート資金から拠出。対象はトラック・重機・移動車両のレンタル代など。参加する会員有志の交通費、ホテル代は自己負担とする
③日程は2月26日から3月1日とする

支援先は、日本ライオンズ・アラートチームの調整により志賀町に決まった。参加者は伊藤地区ガバナー、有川誠地区アラート・環境保全委員長を始めとする8クラブの22人で、各自の都合に合わせて新幹線や飛行機、車で移動することにした。私は2月26日に現地入りし、志賀町の災害ボランティアセンターで作業の打ち合わせを行って翌27日から作業を開始した。がれき撤去のボランティアの他に、337-E地区では志賀町へミカンジュース3600本を寄贈することとし、27日に現地入りした伊藤地区ガバナーから稲岡健太郎町長に贈呈した。

作業初日の27日は朝7時に金沢駅に集合。トラック4台・油圧ショベル1台をレンタルし、ボランティアセンターで道具を乗せて現場へ向かった。この日の作業は住宅前のブロック塀の撤去など。被災者には高齢の方が多く、被災後の片付けに困っていたとのことで、とても喜ばれた。作業後にボランティアセンターを訪れて涙ながらに感謝を伝えてくれた方もいたそうだ。参加メンバーは、寒風の中で懸命に作業したかいがあったと大きな達成感を覚えた。3月1日昼前まで4日間にわたって作業に当たり、夕方に熊本へ戻った。

337-E地区は熊本地震と熊本県南部豪雨水害で被災した際に、多くの方の支援に助けられた。その恩返しをしたいという気持ちが、今回の支援活動につながった。参加したメンバーは派遣された先でそれぞれに力を尽くし、チームワークを発揮しながら作業に従事した。熊本から駆け付けたライオンズによる支援の様子は、金沢テレビと熊本県民テレビで放映された。今回の活動に協力していただいた日本ライオンズ・アラートチーム、志賀町災害ボランティアセンター、各区長に感謝すると共に、九州の地から一日も早い復興を祈念する。

2024.03更新(337複合地区アラート委員長、元337-E地区ガバナー/髙野裕子)

●関連記事
「熊本豪雨の被災地支援とレオクラブ」337-E地区(2021.06更新)
「被災者の元へいち早い支援を熊本南部豪雨被災地支援」337-E地区(2020.08更新)
「LCIF交付金を活用し熊本地震被災地を支援」337-E地区(2019.07更新)