海外の活動 海底火山噴火被災地に
給水タンクを設置

海底火山噴火被災地に給水タンクを設置

2021年12月20日に噴火が始まったトンガの海底火山フンガ・トンガ-フンガ・ハアパイは、ほぼ4週間後の2022年1月15日に大噴火を起こし、高さ57kmまで噴煙を噴き上げた。これにより津波が発生、また広い地域に大量の灰が降った。トンガでは停電に加え、海底光ケーブルが破損したためインターネットも使用出来なくなり、しばらくは近隣国でさえ被害状況が全く分からない状況が続いた。ようやく通信が回復して人々が見たニュースの映像には、土砂がたまった水域、深刻な津波被害を受けた村々、火山灰の下に埋もれた屋根や、大きく変化した海岸線などが映し出されていた。

トンガのライオンズクラブが所属する202K地区は、他にフィジー、サモア、米領サモア、ババウ・トンガ、ニュージーランド北部のライオンズクラブによって構成されている。ニュースを見た地区内のライオンズクラブは、すぐに援助の手を差し伸べなければと、検討を始めた。まずは清潔な飲料水の提供が最重要だと考え、給水タンクの設置を決定。ライオンズクラブ国際財団(LCIF)に災害援助交付金2万4100ドルを申請した。

トンガ諸島の多くは海抜が低いため、地下水に海水が混入し飲用に適さない場合がある。雨水収集タンクがあれば、きれいな水が手に入る。詳しい状況が分からない上、海に隔てられた島であり、利用出来る施設が限られるなど非常に困難な条件が重なるプロジェクトだったが、202K地区のライオンズは粘り強くこれらを乗り越えた。更に新型コロナの感染予防のために渡航も制限される中、トンガ赤十字社と協力し、三つの島にある公立学校各3校で、雨水を集めるための水槽計9基の設置を完了させた。

ロビンソン元202K地区ガバナーは言う。
「このプロジェクトによって、人々の生活にプラスの変化をもたらせたことをとてもうれしく思います。噴火による混乱と厳しい状況の中、ライオンズの強い思いによって持続可能な水源が確保されました。この取り組みは被災地の復旧・復興を支援するだけでなく、住民に希望の光をもたらしています」

2024. 01更新(国際協会配信 文/シェルビー・ワシントン)