投稿リポート 地域で取り組む
ほたるの里づくり

地域で取り組むほたるの里づくり

春江坂井ライオンズクラブ(37人)は2021年から「ほたるの里づくり」事業に取り組んでいる。この活動は蛍が生育出来る環境整備の取り組みを地域に定着させることが目的で、地元の小中学生や、子ども会のジュニアリーダーなどの子どもたち、地域住民、春江中部まちづくり協議会とも協力し、幅広い世代や種々の組織を横断して環境保全の意識を高めている。

ここ坂井市春江町の藤鷲塚区は、町のほぼ中央に位置する田園地帯だ。2018年頃から、田んぼの用水路の約500mにわたる区間で蛍が飛び交うようになった。パイプラインで配水されるきれいな水が田んぼを潤し、減農薬による稲作が進んでいることが、蛍の定着につながったと考えられる。

そこで春江坂井ライオンズクラブとまちづくり協議会は21年4月から、地元の子どもたちに蛍のサポーターになってもらい、幼虫の餌になるカワニナの飼育セットを配布したり、蛍の生態を学ぶ勉強会を開いたりするほたるの里づくり活動を開始。6月には数百匹の蛍が観察された。7月には蛍の案内看板を設置して除幕式を開催し、「ほたるのゆうべ」と題して行ったホタル地域づくり研究所の専門家による講義と春江中学校合唱部によるミニコンサートでは、子どもたちは目を輝かせて聞き入っていた。翌22年からは6月に「ほたる鑑賞会」を行うようになり、今年も6月10日、藤鷲塚区を中心に開催した。

ほたるの里づくりは、地域を挙げた活動に成長している。その結果、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」に掲げられる自然環境保護に対する認識が深まると共に、地域に奉仕するライオンズクラブの活動への理解も進み、地域の絆が一層深まっている。春江坂井ライオンズクラブは今後もほたるの里づくり事業に積極的に取り組み、地元の生物多様性の維持に協力していきたい。

2023.06更新(会長/水上雅喜)