投稿リポート ライオンズの森での
清掃活動

ライオンズの森での清掃活動

磐越自動車道をいわき市から郡山市方面へ向かって走っていると船引三春インターチェンジの少し手前で、右側に端正な山容の片曽根山が姿を現す。船引五山の一つに数えられ、地元では「田村富士」として親しまれている。裾野の美しい独立峰で、初雪が冠した日などはまさに富士と呼ぶにふさわしい威厳を感じる。その昔、平安時代の武将・坂上田村麻呂が10km以上も離れた鞍掛山から放った合戦開始の合図となる鏑矢(かぶらや)がこの山の片方の曽根をかすめた故事から、その名が付いたと言われる片曽根山。散策に適した山麓の自然林は、1985年に「ふくしま緑の百景」に選定された。車で山頂近くまで行くことが出来、標高718.6mの山頂からは吾妻連峰や安達太良山(あだたらやま)が見渡せる。

1977年、田村ライオンズクラブ(佐久間幸彦会長/46人)は、田村町のシンボルでもある片曽根山の山頂付近に休憩場となる東屋を建設した。そして東屋周辺を「ライオンズの森」と称し、毎年春の山開き前と秋の紅葉シーズン前の年2回、清掃・整備作業を行っている。今年は5月21日が山開きなので、5月11日に実施。五月晴れの空の下、爽やかな風が吹く中で、会員18人が参加して整備作業を行った。

毎年5月中旬から、片曽根山のなだらかな山頂付近では約1万本のヤマツツジが花を咲かせる。また山頂から西側に少し下った所にある大小の岩には、33体の観音様が刻まれている。江戸時代末期に封建社会の圧政と飢饉(ききん)に苦しんだ農民たちが救いを求め、西国三十三観音を模して彫ったものだそうで、「片曽根三十三観音」と呼ばれている。今年も多くの登山客に片曽根山を訪れてほしい。そして自然や文化に触れて楽しい時間を過ごしてもらいたい。

2023.05更新(箱崎速水)

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