投稿リポート ライオンズがつないだ
日比の小学校の交流

ライオンズがつないだ日比の小学校の交流

フィリピン・マニラから国内線で1時間ほどのフライトで、ネグロス島に到着する。この島では1980年代、住人の90%が砂糖産業で暮らしていた。そこへ世界的な砂糖価格の大暴落が発生。そのあおりを受けて多くの子どもたちが栄養失調に陥り、ネグロス島は飢餓の島と呼ばれた。多くの農民が外に働きに出なければならなくなったが、小さな子どもがいる親は家を空けることが出来ない。そうした状況を知った三好愛知ライオンズクラブ(塚本隆敏会長/45人)は1990年、ネグロス島のバゴ市にデイケアセンター(保育所)を落成した。更にその翌年から、学用品などを携えて保育所に隣接するアティプルアン小学校を訪問するようになった。

私たちはアティプルアン小学校の児童と一緒に、同校の校庭にマホガニーの苗木100本を植えて、「友情の森」と名付けた。以来、3年ごとに現地を訪問。みよし市立三吉小学校の9人の歴代校長やみよし市民もこれに参加し、またバゴ市からは教育長が三吉小学校を訪問するなど、両校の交流が深まっていった。

交流が始まってから30余年が経過し、今やマホガニーの木は大人が両腕に抱えるほどに成長して学校林となり、人々が集う憩いの場になっている。そしてこの夏、アティプルアン小学校の校長とバゴ市長、教育長の連名による感謝状が三吉小学校に届けられた。

11月24日、その報告会が全児童を集めて開催され、私たちライオンズも参加した。感謝状には次のように書かれていた。「皆様のバゴ市の学校への学習環境改善への貢献、特にアティプルアン小学校とのパートナーシップと絶え間ないご支援に心から感謝します」。また現地を訪問したことがある元校長が児童らに、「アティプルアン小学校では日本のような給食はありません。学校の前のお店でパンを一つ買って食べるか、お金のない子は食べない。それほどに貧しいのです」と話した。これに対して児童会長は、「これからも、私たちに何が出来るか、みんなで考えていきます」と発言した。

ライオンズの活動がきっかけで生まれた国境を越えた小学校同士の友好関係は、これからも成長を続けていく。
 
2022.12更新(元会長・監査役/伊藤安信)