投稿リポート レオクラブと合同で
豪雨被災地イベント

レオクラブと合同で豪雨被災地イベント

2020年7月4日に起こった熊本南部豪雨災害の爪痕は大きく、芦北町でもいまだに多くの方々が仮設住宅で生活している。こうした方々を元気付けようと、芦北ライオンズクラブ(32人)は337-E地区(熊本県)青少年育成クエスト・レオ委員会に相談し、11月13日、芦北町女島仮設住宅地にて甲佐レオクラブと共に炊き出しイベントを実施した。また、芦北町立佐敷中学校の生徒の皆さんにもボランティアとして参加してもらった。

レオクラブ・メンバーと中学生は焼きそばの炊き出しと、子ども向けの駄菓子屋を担当。会場にはこの他に「手・足湯場」を設置。これは熊本の植木温泉観光旅館組合の協力で、植木温泉から源泉湯12トンを運んだものだ。結果として総勢100人を超える人数での奉仕活動となった。

来場者は中学生の振る舞う焼きそばに舌鼓を打ち、植木温泉の湯に足を浸しながら気持ち良さそうに雑談をするなど、非常に楽しんでくれていた。子どもたちも、駄菓子屋の前で中学生とゲームをしたり、温泉の温度を当てるクイズに参加したりと大盛り上がり。地元の方に大変喜んでいただけた。新型コロナウイルスの蔓延により、イベントやお祭りが中止になっていたこともあり、この炊き出しイベントは地元の方にとって久しぶりに羽を伸ばして楽しめる機会になったのではないかと思う。

今回、炊き出しに参加した佐敷中学校の生徒の中にも、被災して避難生活をしていた子が数人いる。その一人である3年生の勝田紗稀さんが今回の活動の感想文を書いてくれた。その中で「今回の体験で人と関わることの大切さ、感謝することの大切さを感じた。今日1日の体験で終わるのではなく、ここで学んだことをどう生かすか、そのスタート地点に立つことが出来た。昨年の災害でいっぱい助けられた分、将来は看護師となっていろんな方を助けたいと思っている」とあり、彼女にとってもすばらしい経験となったのだと感じた。

活動を終えてバスに乗り込む時にも、小学生の子どもたちが別れを惜しむかのように中学生にじゃれついていた。この1日がこの子たちにとって、とても楽しい日だったのだと実感出来る光景だった。そんな中、名残惜しそうに中学生にしがみついて離れない一人の女の子がいた。はにかんだ笑顔で中学生の手をしっかりとつかんでいるのが印象的だった。「いい笑顔だな」と思い写真を撮っていると、地元の方が「あの子のお父さんとおばあちゃんは、昨年の水害で亡くなっているんですよ」と教えてくれた。こうした悲しい出来事があった子を笑顔にするためのライオンズクラブ、レオクラブなのだと改めて考えさせられた。こうした貴重なご縁をいただき、私たちにとっても意義の大きい1日となった。

2021.12更新(会長/森下邦夫)