投稿リポート 6クラブ合同事業
若年層への献血推進活動

6クラブ合同事業 若年層への献血推進活動

世界的なコロナ禍において、献血事業が打撃を受けている。更に、少子高齢化社会を迎え、若年層(10~30代)の献血協力の減少傾向が顕著となっているのが現状だ。

福井県での献血についても、コロナウイルス感染症拡大による採血者数の減少、更に冬の大雪による献血協力の低下も要因となり、2019年、20年と献血率が落ち込んでいる。特に10代、20代の若年層に至っては、21年度に入っても献血率回復の兆しが見えない状況だ。これは、高校や大学での献血実施が困難となっていることが主たる要因と考えられる。

そこで334-D地区(福井県)6リジョン1ゾーンの福井中央(中村潤一会長/107人)、武生(平山勝康会長/61人)、福井葵(丹尾実紀也会長/120人)、武生セントラル(直江祥明会長/77人)、福井九頭竜(戸川智貴会長/58人)、福井フェニックス(松野雅範会長/49人)各ライオンズクラブは合同事業として、「若年層への献血推進活動」を実施した。

これは福井県内の高校19校、専門学校3校、大学1校の生徒1万5500人を対象に献血の啓発用ちらしを配布し献血への協力を呼びかけるもの。配布用ちらしは、学生の献血への意識改革を目指して、基本的な「献血が必要な理由」、「献血後の血液のゆくえ」、各クラブの献血活動の状況等を読みやすく掲載し、献血の必要性を理解してもらえるよう独自に作成した。同時に文部科学省、厚生労働省から県や学校関係者へ、高校生等への献血セミナー・学校献血活動への受け入れについて協力依頼文書も発信してもらい、学校側からも積極的に学生への献血呼びかけに協力してもらえた。

また、10月16日(土)に福井市、10月30日(土)に越前市で各100人を目標に献血活動を実施した。16日は141人を受け付け、107人が献血を実施。献血実施者の70.1%が10~20代、52.3%に当たる56人が初回献血者と、呼びかけに一定の効果が出ていたと思われる。2日間で献血受け付け人数253人、採血者数204人と目標を達成。会員一人ひとりが献血推進に向けて努力した結果であり、今後につながることを確信した。

日本社会の人口動態を考えると今後、献血可能な人口は減少していくと思われる。医療技術が進歩した今日でも血液は人工的につくることも、長期に保存することも出来ないものだ。1960年代にライオンズクラブが献血事業をスタートして以来、全国の各ライオンズクラブが懸命に献血の呼びかけをしているが、今後も市民が自ら積極的に献血に協力出来る環境づくりや、学生を始め市民一人ひとりに呼びかけが届くような活動がライオンズクラブに求められていると思う。

若年層の献血推進は、コロナ禍での献血者の減少というだけでなく、10年、20年先を見据えた取り組みだ。これを334-D地区6リジョン1ゾーンの合同事業として取り組めたことは、献血の未来を支えるための第一歩として有意義な活動であった。

2021.12更新(ゾーン・チェアパーソン/石山巖)