投稿リポート 35年間続く
明知線沿線での草刈り作業

35年間続く明知線沿線での草刈り作業

山岡ライオンズクラブ(19人)は毎年10月8日のライオンズ・デーにちなみ、地域貢献活動の一環として草刈り作業を行っている。明知線は岐阜県恵那市の恵那駅と明智駅を結ぶ総延長約25kmの鉄道で、沿線にはハギやススキ、クズ等が生えている。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でさまざまな活動が制限される中、作業を10月7日に実施。会員各自が草刈り機や鎌を持参し、明知線を運営する第三セクター・明知鉄道株式会社の方の誘導で通過する電車との安全距離を保ちながら行った。

この事業は1986年から定期的に実施しており、今年で35年という節目の年を迎えた。この間には当日の天候不良や作業時のけがを始め困難なことが多々あったものと思う。地域公共交通の路線維持に熱い志をもって取り組んできた先人たちの労苦に思いをはせると共に、これからも会員一丸となって地域発展を目指していきたいと考えている。また本事業の開始から3年が経過した89年からは、隣町の岩村ライオンズクラブ(後藤俊彦会長/18人)にも連携を呼び掛け一緒に作業に取り組んでいる。

さて昨今、国を挙げて地方創生、地域経済活性化が叫ばれているが、私たちの地域は他の中山間地域と同様、過疎化、少子化、高齢化が進行し、鉄道の利用客は減少傾向が続いている。それに加え本年は新型コロナ感染防止の観点から外出の自粛ムードが高まり、経済活動の停滞が顕著になっている。

こうした鉄道を取り巻く経営環境の悪化を抑えるため、明知鉄道では車窓風景を楽しみながら地元の食材を生かした料理を車内で味わうイベント列車(グルメ列車)「寒天列車」「きのこ列車」「じねんじょ列車」「おばあちゃんのお弁当列車」「枡酒列車」等を季節ごとに企画。また終点の明智駅がある明智町は戦国武将・明智光秀の生誕地と言い伝えられていることから、20年のNHK大河ドラマ「麒麟が来る」の明智光秀をデザインしたラッピング車両を運行するなど、利用客の拡大を図っている。

当クラブとしては明知線という地域の鉄道路線の運行が今後も維持され、通勤・通学の足として、交通弱者の生活の足として、地域住民の福祉として確保されることを願ってやまない。今後も明知鉄道に対しては草刈り作業だけの応援にとどまらず、地域の皆様と一緒に力を合わせて多方面で協力していく所存である。
 
2020.10更新(会長/西尾正仁)