国際財団コロンビアの生活を変える
キッズサイト・プログラム

コロンビアの生活を変えるキッズサイト・プログラム

南米コロンビアに暮らすエステバン君は、今まで一度も視力検査を受けたことがなかった。初めて見る検査器具はエステバン君を一瞬不安にさせたが、ライオンズがすぐに和らげてくれた。検査は極めてシンプルなものだった。
「真っすぐ前を見て、検査器具の前に現れる小さなウサギを探すこと」
エステバン君の世界が今、変わろうとしている。

視力に問題があることに気づかないまま日常生活を送る子どもは少なくなく、それはライフスキルの習得や学校の勉強にも影響を及ぼす。更に障害の種類によっては、放置したままでいると最終的には視力を失う危険性もある。

コロンビアでは、視力ケアを行う環境が整っていないのが現状だ。地元のライオンズはこの状況を打開すべく、「ライオンズ・キッズサイト・コロンビア」を立ち上げた。これはアメリカで実績を上げているプログラムで、活動資金はライオンズクラブ国際財団(LCIF) からの支援で成り立っている。具体的には、生後6カ月から6歳までの子どもたちに眼科スクリーニング検査を実施する。対象範囲を高校生にまで拡大することもある。検査で問題が見つかった場合、必要に応じてライオンズが眼科医を紹介し、精密検査を受けるように指導するのだ。現在、ライオンズはコロンビア全域でこのプログラムを展開。およそ600万人の子どもたちに視力検査を提供することを目標としている。

LCIFはこの活動のために6万9022ドルの交付金を拠出、ライオンズは視力検査用の器具を10台購入した。元検眼医でライオンズ・キッズサイトUSA財団の会長でもあるエドワード・コルデス元国際理事は、自らコロンビアに赴きライオンズに視力検査の方法を指導、また彼らと一緒に地元の小学校やデイケア施設を訪問した。その結果、118人の子どもが視力検査を受け、そのうち20人に眼科医が紹介された。エステバン君もその中の一人だ。

その後、エステバン君は斜視と診断された。放っておくと弱視を引き起こす原因となり、最悪の場合失明する危険性もあった。現在は治療によって、以前より物がはっきりと見えるようになったエステバン君。もう失明の心配はない。

「さまざまな技術を持った専門家が私たちの小学校で検査を実施してくれたのは、本当にすばらしい出来事でした」
そう話すのは、インマクラーダ・ソラーノ・デ・ヘルナンデス校長。
「みなさん優しくて親切で、とても熱心な方ばかり。地域を代表して、心から感謝の意を表します」

ライオンズは地方にもサテライト・クリニックの建設を進めている。この大きなチャレンジについて、コルデス元理事は次のように話す。
「このプログラムに参加するライオンズは皆、情熱を持っています。そしてその情熱は周囲の人々を感化し、更に多くの強力な支援者を作り出していくのです」

ライオンズ・キッズサイト・コロンビアは、数週間で1万6000人の子どもたちに視力検査を実施。そのうち1600人以上が治療が必要と判断され、カリブ眼科財団とコロンビア保健省が費用を提供し治療が施された。 LCIFの支援により、コロンビアのライオンズは視力障害と戦う力強い立場を示すことが出来た。そのインパクトはきっと今後も継続していくはずだ。

2019.10更新(文/ジェイミー・ケーニヒスフェルト)