テーマ高齢者のスポーツ祭典
シニア交流大会

高齢者のスポーツ祭典 シニア交流大会

岩見沢は札幌から北へ約40km、道西部に広がる石狩平野の東側にある。道内の陸上交通の要衝の一つで、高度経済成長期には夕張や三笠など近隣の炭鉱と道内各地の港湾都市を結ぶ列車の一大拠点だった。そのため、国鉄時代には公式に認定された全国12の「鉄道の町」の一つとなっていた。ちなみに現在の岩見沢駅は2009年に完成したものだが、ガラスカーテンウォールに古い鉄道のレールを用いる国内初の工法が採用され、鉄道の町・岩見沢の顔とも言える駅舎となっており、その年のグッドデザイン大賞を受賞している。

岩見沢には現在、岩見沢、岩見沢中央、岩見沢グリーン、岩見沢はまなす、岩見沢メープルの五つのライオンズクラブが活動している。その一つ岩見沢中央ライオンズクラブ(小室勝豊会長/61人)が、1974年以来継続して取り組んでいる奉仕事業「シニア交流大会」が7月21日(土)、岩見沢スポーツセンターで開催された。この大会は高齢者の健康増進や生きがいづくりを目的に毎年開催されており、岩見沢市老人クラブ連合会(市老連/山本博光会長)が主催し、岩見沢中央ライオンズクラブが運営面で協力している。45回目となった今年の大会には31の老人クラブが登録し、応援の家族なども含めた約800人が参加。現在では市老連最大のイベントとなっている。

シニア交流大会は岩見沢中央ライオンズクラブの提案から始まった。同クラブは結成2年目の73年、高齢者福祉に力を入れ、労力奉仕を中心とした活動を心掛けようとの方針を決めた。そこでさまざまな検討を重ねた結果、3世代交流が出来る活動として、お年寄りのスポーツ大会を企画。役員らが市役所、福祉事務所、老人クラブを回って、大会の概要を作り上げた。そして74年8月25日、第1回となる大会が「老人オリンピック」の名で開催された。同クラブの川村雅彬さんは当時、第1回大会についてライオン誌に寄稿、次のように書いている。
「初めてのことで、戸惑った点もだいぶあったが、みんな文字通り一生懸命やった。老人クラブの人たちも喜んでくれた。ともかく第1回老人オリンピックは成功した。各ライオンの顔は疲れている。何の言葉もない。しかし、言葉などいらないほど、どの顔も満足げであった」

この第1回大会の成功により、「老人オリンピック」は市老連の主要事業として、以降毎年実施されることになる。10年が経過した1985年の大会には45クラブ、2200人余りが参加。岩見沢の夏を彩る高齢者のスポーツ祭典として定着し、大きく発展することとなった。ただ、8月開催を7月に変更したり、大会名を「老人オリンピック」から「高齢者オリンピック」更には「シニア交流大会」へと変えたり、種目を見直したりと、少しずつマイナーチェンジはしている。開催日は、北海道とはいえ温暖化の影響もあって8月の気温が高いことから、安全を考慮して変更。大会名は、年を重ねても元気な高齢者が多くなったことから、時代に合わせて変えてきた。

種目も、最初の頃は、途中につるしてある風船をピンのついた帽子で割りゴールまで走る「割りカン」、空き樽を横にしてバトンでころがしながらリレーする「樽ころがしリレー」など、名前からしてユニークな企画が多かった。が、その後、よりアスリート色が強くなり、スプーンにピンポン球を乗せて走る玉運び、ボールの的当てなどに替わった。ここ数年は、2カ所に置かれている床の5円玉を拾いゴールを目指すものや、ペットボトルの底にボールを載せて落とさないようにゴールを目指すもの、定番の玉入れなどの競技が実施されている。

出場者はこの日のために日々練習を重ねており、競技に取り組む姿勢は真剣そのもの。中には、1週間前から競技をひと通り予行練習し、25人の選手を選抜してシニア交流大会に臨むクラブもあるという。それだけに、競技結果に対する反応は非常にシビア。ライオンズ会員はゴール地点での審判を担当しているが、微妙な判定になった場合、結果次第では猛烈な抗議にさらされる。しかも、当該選手だけではなく、周りの応援団からも矢のようなクレームが飛んでくるので、会員たちは一瞬たりとも見逃さないよう、目を皿のようにしてゴールの後ろに控えている。また、ライオンズクラブでは、競技の審判や記録係の他、優勝、準優勝、3位までと、各競技の優秀チームへのトロフィーを提供。更に前日の会場設営と大会終了後の撤収なども行い、裏方として大会を支えている。

老人クラブは地域を基盤とする高齢者の団体で、町内会に付随または連携して、高齢者福祉に取り組んでいる。各クラブでは健康づくりのスポーツや文化活動、またボランティア活動などを行っているが、基本的にはクラブ単位での活動が中心。岩見沢シニア交流大会のように、30を超える老人クラブが一堂に会し、町対抗で競い合う機会などまずない。それだけに、参加者は毎年この交流大会を楽しみにしており、ライオンズクラブとしてもその期待に応えるべく、会員・家族が一致団結して大会のサポートに当たっている。

「夏の暑さと参加者たちの熱気に包まれる中、汗だくになりながらの作業は大変ですが、シニア交流大会は私たち岩見沢中央ライオンズクラブにとって自慢の継続事業です。参加された皆さんは元気そのもの。終始、笑顔にあふれていて、お手伝いをしながら、我々の方が逆にパワーをもらっています」
と、84年にライオンズに入会してからずっと活動に参加している柏﨑昭朗331複合地区(北海道)元議長は話す。

そんなライオンズクラブに対し、開会式であいさつに立った松野哲市長や市老連の山本会長は、
「こうして毎年盛大にシニア交流大会が開催出来るのは、何よりも長年にわたり大会運営にご協力頂いている岩見沢中央ライオンズクラブの皆様のおかげです」
と話し、大会へのサポートと貢献に感謝の意を表明していた。

2018.08更新(取材・動画/鈴木秀晃 写真・動画/関根則夫)