獅子吼 水害被災者救援
チャリティーコンサート

水害被災者救援チャリティーコンサート

今年7月に発生した集中豪雨により、秋田県では各地で住宅を始め、河川、農地、山林にまで及ぶ甚大な被害を受けた。豪雨は7月14~16日の3日間続き、交通、通信、物流にも大きな影響を与えた。同じ7月、332-F地区(秋田県)3リジョン2ゾーンでは石垣勝康地区ガバナーの下、7年ぶりとなる地区キャビネットが開設された。そこで3リジョンのライオンズクラブの仲間の力で、被災者に救済の手を差し伸ばせないかと考えた。このまま看過すれば何も残らない。今こそ行動を起こす時だ、と。

音楽クラブを運営するメンバーに相談すると、水害被災者救済のチャリティーコンサートを提案された。そこで地区ガバナー公式訪問に合わせて開催日時、場所、出演者を決め、ポスターやチケットの印刷を進めた。日時は9月25日の午後6時から2時間。会場は、ほくしか鹿鳴ホール(大館市民文化会館)の中ホール。出演者は、当クラブメンバーで大館市の音楽スタジオ・バーディグリーンミュージックの代表を務める小山芳明さんと、私の次女扇田泰子・亮(まこと)夫妻のトランペットデュオ。実行委員長は、当クラブの鈴木洋一アラート委員長に依頼。3リジョンに所属する六つのライオンズクラブ(能代、大館、鷹巣、比内、大館北、琴丘)には、チケット販売への協力をお願いした。と、ここまでは良かったが、コンサートの開催は初めて、何の実績もノウハウもないので不安がいっぱいである。著作権使用料の扱いですら今回が初めての経験で、あれこれ苦難の連続であった。

紆余(うよ)曲折を経て迎えたイベント当日。平日の月曜日ということもあり入場者数を心配したが、収容人数500席の半分を埋めることが出来た。ライオンズクラブの仲間が快くチケットを買ってくれた結果であり、水害被災者救済という目的に賛同してくれた方々の協力もあって、どうにか所期の目的を果たすことが出来た。コンサートでは、小山さんが作詞・作曲した「大館サンシャイン」「走れ内陸線」「好きです大館」などが披露された他、特別出演として大館ライオンズクラブの本間由紀子会長がやはり小山さん作の「大館・常盤木恋しぐれ」と「おおだて散歩」を熱唱、そして石垣地区ガバナーもサックスで 「Winelight」や「カリフォルニア・シャワー」といったジャズナンバーを演奏し、会場は大いに盛り上がった。収益金は40万7000円余り。3リジョン内で最も被害が大きかった三種町を活動域とする琴丘ライオンズクラブに全額を渡し、11月23日に開かれた同クラブの例会で、田川政幸三種町町長に「水害被災者救援」の願いを込めて贈呈された。ライオンズの仲間と協力者による誠意のたすきが手渡されたのである。コンサートをまともに聴く間もなく黙々と赤色灯を振って駐車場の整理をしてくれたメンバーたち、無償で出演してくれた皆様に感謝申し上げる。

今ライオンズクラブではメンバーは高齢化し、若手会員の加入が見込めず先行きが見えない。今回のイベントで感じたのは、あれこれ考えるよりもまず挑戦すべきだということ。楽しいライオンズクラブ、楽しい例会、楽しい奉仕活動を実行すれば、若い人にもその魅力が伝わるのではないだろうか。初めてのコンサート開催を通じて、「やる気になれば出来る」という自信が生まれた。そして「ライオンズの仲間はただのフレンドには非(あら)ず、ファミリーである」と実感することが出来た。

(会長/85年入会/76歳)

2023.12更新