獅子吼 二つのシニアクラブ
農園での合同周年式典

二つのシニアクラブ 農園での合同周年式典

秋晴れが最高の「おもてなし」になった9月10日、サッポロシニア ライオンズクラブ(竹下明美会長/47人)の結成25周年と、当クラブがスポンサーとなって誕生した札幌コスミック シニアライオンズクラブ(村野裕子会長/24人)20周年の合同式典が、羊蹄山のふもとに位置し札幌から1時間半の距離にある留寿都(るすつ)村のシニア農園で開かれました。式典としては異例の屋外開催ということで一番心配したのが雨でしたが、何日もかけて準備をしてきた願いが通じたのか、天も味方してくれました。

シニア農園のオーナーは、当クラブの吉本康朗さん。会場となった自宅横の広場には、式典名を書いた垂れ幕や、日の丸、クラブ旗、「ライオンズの誓い」などを手づくりの板塀に掲示しました。吉本さんが保有しているいすだけでは数が足らず、ビール箱を上下逆さに置いた座席も用意。和太鼓郷土芸能団体・風雪太鼓(札幌市)による勇壮な太鼓の響きが出席者を出迎えました。9月にしては日差しは強いものの、すがすがしい秋風も吹いています。開会宣言では病気療養中の竹下会長に代わって吉田英則前会長が、「農園は、私たちの奉仕活動の生命線です。農園を支えている吉本さん夫妻に感謝です」とオーナーをたたえました。札幌コスミックシニア ライオンズクラブの村野会長は、「交流している札幌育児園とは、毎年ここで収穫祭を開いています。また、円山動物園への招待や調理実習などでも親睦を深めています。女性メンバーだけのクラブらしく、これからもしなやかな奉仕活動を続けます」とあいさつしました。

「ライオンズの誓い」の唱和に続き、物故者に黙とうを捧げた後、鶴嶋浩二国際理事から、「両クラブは共同で農園を運営、未来ある子どものために価値ある奉仕活動をしています。結成30周年、50周年が楽しみです」という祝辞を頂きました。今年度、331-A地区(北海道・道央)初の女性ガバナーとなった設楽幸子地区ガバナーからは、「屋外での周年記念式典開催は初体験です。アットホームな雰囲気で、今年度ガバナー・スローガン『共創~明日を照らす奉仕の絆~』を実践したものだと思います」と賛辞を頂きました。鶴嶋理事から両クラブ会長、実行委員長の4人に国際会長感謝状が贈呈された後、ジャガイモを収穫。育児園園児やブラザークラブの会員も一緒に芋掘りに汗をかきました。

会場をルスツリゾートに移しての祝賀会では、ジンギスカンパーティーを開催しました。当クラブの松田純一実行委員長は歓迎のあいさつの中で、「全国各地にある四つのシニアライオンズクラブからも11人が参加され、総勢130人で祝賀会を開くことが出来ました。感謝感激です。収穫した農産物は子ども食堂や円山動物園にも寄贈します」と報告。また佐藤ひさ子留寿都村村長が「農園オーナーの吉本ご夫妻の貢献を誇らしく思います。皆さんで幸せの種をまいてください」とスピーチすると、大きな拍手が沸きました。更に日本シニアライオンズクラブ連絡協議会の代表幹事でもある当クラブの吉田前会長が、「昨年開かれたシニア・フォーラムの札幌宣言として、人生100年時代に第二の青春を楽しもうと明記されました。平均寿命だけでなく、健康寿命、貢献寿命も延びています。シニアライオンズクラブは、豊かな経験と知性を生かして活動しています。来年3月26日には、第9回大阪シニア・フォーラムを開きます」と力強くアピールしました。「ウィ・サーブ」唱和の際には、美田法賢第1副地区ガバナーが「温かい気持ちになりました」と話し、ライオンズ・ローア三声では、山崎巌第2副地区ガバナーが「両クラブは地域の活性化に努めています。他のクラブも刺激を受けています」と語りました。そしてアトラクションとして、津軽三味線の日本一決定戦で初級優勝者となった北沼真紅さんがすばらしい記念演奏で華を添えてくれました。

サッポロシニア ライオンズクラブは結成翌年の1999年からシニア農園を運営。クラブ会員の会社が保有していた農地3ヘクタールを借り、ジャガイモ、トウモロコシ、カボチャ、大根などを栽培。クラブの奉仕活動に共鳴して入会した吉本さんが赤字覚悟で、耕作、種植え、収穫まで全面協力してくれています。また2010年から延べ155校で薬物乱用防止教室を開催、1万6500人の小学生が受講しました。ライオンズクエストの授業や献血活動にも力を入れています。農園とライオンズクエストにそれぞれ特化した二つの支部も結成しました。

札幌コスミックシニア ライオンズクラブは、育児園の子どもを円山動物園に招待したり、テーブルマナー教室などを開催したりしています。薬物乱用防止教室は年間10校で開催。札幌中央卸売市場での献血活動では、年間160人以上の協力者を得ています。

開拓の心意気を未来へと打ち鳴らす風雪太鼓の響きのように、われわれライオンズクラブも次の時代へ更なる勇壮な物語を紡いでいきます。

(サッポロシニア ライオンズクラブ会長/98年入会/85歳)

2023.09更新