トピックス 北アイルランド国際理事会

北アイルランド国際理事会

北アイルランドの首都ベルファストで国際理事会が開催されました。会議自体の日程は3月13~16日の4日間でしたが、ベルファストまでの移動や理事会後の奉仕活動も含めると、2週間を超えるかなり長い期間の海外旅行になりました。

私は国際理事会で会則及び付則委員会に所属しています。同委員会は、ジョン・W・ユーニー委員長と副委員長の私、ベン・アプランドとサミール・アブー・サムラ両1年目理事の4人の委員と、投票権のないアドバイザ-である元国際会長のジム・アービン理事会アポインティで構成され、また国際協会の法律顧問であるデビット・キングスバリー氏が同席されます。

まずは会則及び付則委員会の所掌任務に関する事項として、未解決の会則関連抗議事案及び紛争処理申し立て事案の検討がなされました。内容的には地区ガバナー資格に関連する紛争、特に停職処分や解任などの紛争が多いのが印象的でした。その際によく問題となるのが 「善良な徳性の持主で、地域社会において声望のある成人」(国際会則第8条第2項、クラブ会則第3条1項)という文言の解釈についてであり、委員会でも慎重に意見の交換がなされました。この資格はライオンズクラブ入会見込み者だけを対象としているのではなく,現在在籍中の会員にも該当します。なのでライオンズ会員が裁判所において道徳的に卑劣な罪に問われ有罪を認めたか、有罪の判決を受けた場合、同会員は「善良な徳性の持主で、地域社会において声望のある」という条件を満たしていないので、ライオンズクラブから除名されるべきだとされています。ここで「道徳的に卑劣な罪」とは具体的に何かが問題になります。こうした表現は日本では一般的に使用されないため判断に悩むこともありますが、大きく分類すれば「罰金刑に当たる犯罪は道徳的に卑劣な罪には該当しないが、実刑判決は該当する」と理解されています。もう一つ問題になるのは執行猶予付き判決の場合ですが、執行猶予付きの判決を受けた公務員が通常懲戒解雇になる日本の実情を考慮した場合、原則として道徳的に卑劣な罪に該当する可能性が高いと考えるべきだと思います。

国際執行役員と会則及び付則委員会メンバー

委員会ではその他に、事務処理的事案として会則・付則改正等の議論がなされ、それに関連して国際理事の推薦要件、地区ガバナー、ゾーン・チェアパーソンの任務についての再検討がなされました。

このように会則及び付則委員会の議題はライオンズの会員資格に影響を与えるものが多く、毎回真剣な議論がなされます。それ以外に、国際会長を始めとする国際執行役員が委員会を訪問される時間があり、これが非常に重要となります。執行役員各位がそれぞれの考えを胸に、委員会に対して厳しい質問を浴びせ、それに対して委員長が、委員会が導き出した結論の正当性を示して具体的に説明をするという、とても緊張感のある密度の濃い時間です。

最後になりますが、今年度の国際理事会会議も残すところボストン国際大会直前の1回のみとなりました。残された期間、国際理事として問題となる紛争の適正な解決に精力的に取り組み、任務を全うしていきたいと考えています。

2023.04更新(国際理事/藏大介<石川県・金沢伏見ライオンズクラブ>)