国際財団 思いやりで結束する
ウクライナ支援

思いやりで結束するウクライナ支援

2022年3月にウクライナで戦争が始まってすぐ、何千人ものウクライナ人が国境を越え、安全を求めて隣国ポーランドや周辺の国々に避難した。

「ロシア軍が侵攻する前の数日間は皆が緊張し、何か悪いことが起こる予感がありました。しかし、これほどまでに悲惨で全面的な戦争になるとは誰も予測していませんでした」
そう話すのは、首都キーウ生まれのヤロスラフ・ヤスニクさん。

ポーランドのクラクフに避難し、ライオンズの支援で住まいを得たヤスニクさん一家

29歳のヤスニクさんは自宅から約24kmの場所がロシア軍に砲撃された時、家族と共にキーウを離れる決心をした。そして3週間に及ぶ旅の末、妻のイヴァンナさんと3人の幼い子どもたちと共に国境を越え、ポーランド南部の都市クラクフに到着した。一家は避難場所を求めてウクライナから逃れた多くの家族のほんの一例に過ぎない。こうした大規模な人道危機が発生した時、真っ先に支援に乗り出すのは、ライオンズクラブとライオンズクラブ国際財団(LCIF)だ。

LCIFはウクライナ難民を支援するライオンズのプロジェクトに対し、現在までに17カ国の53件に合計270万ドルを超える交付金を拠出した。ライオンズはLCIF交付金を活用し、生活必需品の供給や中長期的な定住の支援、新たな地域社会に溶け込むための助力など、難民の人たちが求める幅広いニーズに応えている。これらの交付金によって、23万人以上の難民に支援が届けられる見込みだ。

「ライオンズクラブとLCIFには、助けを必要とする多くの難民のために継続して支援活動に取り組んでほしい」
ウクライナのライオンズ・メンバー、ローマン・モナスティルスキーさんは言う。

モナスティルスキーさんは、ポーランドとの国境に近いリヴィウで支援プロジェクトに参加している。戦争が始まった直後、彼の元にはポーランド、スウェーデン、フランス、リトアニアの各国のライオンズクラブから、支援を申し出る電話がかかってきた。当初はLCIFの支援を受けて、リヴィウの学校や宿泊施設で温かい食べ物や衣服、医療用品を避難民に提供する活動に従事し、その後、戦闘の続くウクライナ東部へと活動地域を広げていった。

この危機に対応するために、LCIFはポーランドのライオンズに最も多くの交付金を拠出し、その総額は128万9789ドルに達する。2番目に多いのはウクライナのライオンズに対する交付金で、国内に残る避難民を支援するために89万5000ドルが提供された。

難民に支援物資を供給する活動に取り組むポーランドのライオンズ

LCIF交付金は、家を追われた難民を救済するために大いに役立っているが、支援活動は困難に直面することもある。ポーランドで支援プロジェクトの先頭に立つカタジナ・ゲーベルト元地区ガバナーは、この戦争の体験によるトラウマと大きな悲しみの中にあるウクライナの人々に手を差し伸べる困難を、次のように話す。
「女性の涙、震える声、子どもたちの悲しげな顔、淡々と語られる彼らが経験し、あるいは目撃した残虐行為。ライオンズが支援する人々の苦しみと悲運は想像を絶するものです」

一方で、ポーランドに避難したヤスニクさんはライオンズクラブの活動についてこう語った。
「ライオンズクラブ国際協会は、紛争から逃れたウクライナの人々のためにすばらしい活動をしています。多くの人に安心を与え、大きな変化をもたらしてくれているのです」

ウクライナ救援に関する情報は、lionsclubs.org/UkraineResponse を参照。

2023.02更新(国際協会配信 文/エリザベス・エドワーズ)

●ライオンズクラブ国際協会YouTubeチャンネルより

*画面右下にある設定(歯車マーク)で字幕の言語選択が出来ます