投稿リポート 協働の力で実現した
0円スーパー、0円食堂

協働の力で実現した0円スーパー、0円食堂

新型コロナウイルスは世界中の多くの人々を恐怖と不安の中に陥れた。2021年12月19日(日)、コロナ禍で生活が困難になっている方に少しでも明るい歳末を迎えられるようにと、丸子ライオンズクラブ(57人)は米や野菜、果物を中心に食料品や日用品を無料で提供する「0円スーパー、0円食堂」を開催した。

場所は上田市長瀬市民センター、開催時間は午前11時から午後2時までの3時間。何人が来てくれるのかと一抹の不安と期待を抱きつつ当日朝を迎えたが、冬の寒さにも関わらず、開始2時間前の午前9時には既に10人余りが並び始め、開始時間の11時を前に入口玄関前から10mにわたる長蛇の列が出来ていた。

会場には、米、キャベツ、大根、リンゴ、ミカン、トイレットペーパーなど大量の食料品や日用品が所狭しと並んだ。灯油9L×50人分も事前予約を受けて用意した。長野県内外の企業35社の協力で届けられた真心の寄贈品だ。今回の活動の特長はさまざまな団体、人、地域がつながって実現したことである。まず、上田市社会福祉協議会、上田市連合婦人会、NPO法人ホットライン信州、社会福祉法人まるこ福祉会の4団体との初めての共同開催となった。更に、日赤奉仕団を始めとする15に及ぶ団体・会社等と共に強力な協力体制を築き、連携することが出来た。まさに当クラブの理念である「人と人がつながり、誰もが輝き、絆を深める地域社会の構築」だ。主催者である丸子ライオンズクラブはもとより、共催4団体の会員や職員が互いの立場を超えて協働し、この取り組みに汗を流してくれた。

開始前から列を作って待つ人たちのため、「0円スーパー、0円食堂」は予定を15分早めて10時45分に開店した。会場内は大盛況で、あまりに大量の品々が並んでいるので、必要なものを選ぶのも大変なようだった。この日は丸子レオクラブのメンバーと、上田高校の生徒と先生、長野大学の学生がボランティア・スタッフとして参加してくれた。96人に及んだボランティアと、多くの協働者に感謝したい。

コロナ禍の影響等で日常生活に困難を来す人たちは、それぞれに必死で生活をしていると思う。来場された方々とご家族にとって、来る年が明るい1年になってほしいと願わずにはいられなかった。このようにして「0円スーパー、0円食堂」は3時間であっという間に終わった。来場者は407人を記録した。

活動を終えて「大海よりも壮大なものがある、それは大空である。大空よりも壮大なものがある、それは人間の心である」(フランスの小説家ヴィクトル・ユゴー)という言葉が脳裏に蘇った。これからも目の前で苦しんでいる人、困っている隣人、たった一人で悩んでいる人、そんな人々を一人も見過ごさず、置き去りにしないよう行動したい。ライオンズの仲間と共に人々の前に明かりをともしたい。

2022.01更新(会長/栁澤正敏)