投稿リポート 上尾丸山公園で
"蛍の里"づくり

上尾丸山公園で”蛍の里”づくり

上尾市民の憩いの場、上尾丸山公園は「水と緑の調和」をテーマに1978年に開園した総合公園だ。近くには一級河川の荒川が流れており、豊かな自然環境が人気。小動物コーナー、児童遊園地、バーベキュー場、自然学習館、大池などがあり、訪れる人々を楽しませてくれる。

上尾ライオンズクラブ(小川卓郎会長/61人)は2003年の30周年記念事業から、かつて荒川で飛び交っていた蛍を復活させようと公園内に井戸を掘り、水路を引くなどして「ビオトープ・蛍の里」づくりを続けている。採集した蛍を放し鑑賞会を実施して市民を楽しませていたが、蛍はなかなか定着しなかった。

そこでクラブでは勉強会等を重ね、水路の整備や水質改善・土壌の改善等を定期的に行ってきた。環境づくりの専門家もメンバーに加わり、クラブ一丸となって取り組んでいる。

また、市の主導で2019年12月21日と22日にわたり「上尾丸山公園大かいぼり祭」が実施され、市の公募により市民ボランティア団体や地域団体、上尾ライオンズクラブ、市民の約270人が魚類捕獲を実施した。ブルーギルなどの外来種を捕獲排除し、池底の天日干しを行い、20年4月から水を戻し始めたところ、大池を含めた丸山公園の沼地の水質が改善され、カイツブリ、カルガモ、マガモ、カワセミ、アオサギ、ダイサギ等の野鳥や水鳥の姿が多くみられるようになった。

そして6月初旬から7月初旬には上尾丸山公園内に自生の蛍が飛び交った。当クラブの取り組みが実を結びつつあるのである。

新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態宣言が発出されて以降、当クラブでは蛍の里の整備活動を自粛していたが、10月30日に今期第1回目の蛍の里除草・整備活動を行った。驚くことに水路にはシジミの稚貝が多く見られるほどに、環境が改善されていた。

当クラブでは、街づくり委員会の事業として1~2カ月に1回のペースで蛍の里づくりを継続している。自生の蛍が定着し、市民の皆さんの目を楽しませる日はもうすぐそこだ。その日を目指して努力を続けていく。

2021.11更新(街づくり委員長/三輪博)