投稿リポート 令和3年7月豪雨災害
クラブ初のアラート発動

令和3年7月豪雨災害 クラブ初のアラート発動

出雲中央ライオンズクラブ(石原稔功会長/56人)は2019年、アラート委員会を発足させ、災害などの有事に備えて活動してきた。そして今年7月、豪雨により島根県の松江・出雲・雲南地区を中心に多くの川が氾濫(はんらん)した。広い範囲で浸水や山崩れが起こり、多大な被害をもたらした。出雲市においては06年以来の大規模災害である。クラブでは初めてアラートを発動し、対策に当たった。

7月13日に出雲市災害ボランティアセンターが開設された。私たちは早速訪問し、被害状況や必要な物資など支援の要望を聞いた。まず必要とされたのが人的ボランティアだ。特に被害が大きかった地区の民家に入り込んだ土砂の撤去や片付けを行う。メンバー全員に呼びかけて人員を確保。7月18日・23日の2日間、メンバー数人が活動に参加することになった。

次に求められたのがボランティア用の飲料水と、それを冷やすためのクーラーボックスだ。そこでボランティア活動が始まる前日に、メンバーから集めたクーラーボックスを貸し出し、飲料水50ケース1200本寄贈した。

ボランティア活動当日は災害ボランティアセンターに集合。要請があった被災宅ごとにグループ分けされ、被害状況の説明を受けた。被災地へ向かう道中では、崩れた土砂や大木が各所に散乱し、鉄で出来た橋がねじれ曲がるなどの状況を目にした。改めて自然の驚異を感じた。

被災宅に到着すると、お年寄りの家主が喜びの表情で私たちを出迎えてくれた。家の壁を見ると、地面から約1mの場所で色が変わっていた。当時の水位の高さと災害の恐怖を物語るものだった。

作業の内容は床下に入り込んだ泥出しと、裏山が崩れたことによって遮断された排水路の土砂の撤去。猛暑の中、私たちのグループ8人はスコップを持ち「早く片付けて、元の生活が出来るように」という気持ちで懸命に作業をした。約4時間の作業後、撤去した土砂を入れた土嚢(どのう)袋は山のように積み上がった。

家主からは「うれしい、きれいになった」「ありがとうございます」と何度も言われた。また災害ボランティアセンターに帰ってからも職員の方から、たくさんの感謝の言葉をいただき、疲労感は心地よい達成感へと変わっていった。

短い期間ではあったが、参加したメンバーの「貴重な経験をさせてもらった」「少しでも役に立つことが出来た」「達成感があった」といった感想に、やってよかったと強く感じた。初めてのアラート委員会の活動で慣れないところが多々あったが、災害ボランティアを通して多くの方と交流することが出来、大きな収穫となった。これを機にアラート委員会も積極的に研修等へ参加し、知識と経験を積み、より多くの方々に伝えていきたい。

2021.08更新(アラート委員長/須谷真二)