投稿リポート クラブが作った桜の名所に
ヨウコウザクラを植樹

クラブが作った桜の名所にヨウコウザクラを植樹

南宇和ライオンズクラブ(埜下浩孝会長/35人)の活動域である南宇和郡愛南町は愛媛県の最南端に位置し、温暖で水産業や柑橘(かんきつ)栽培が盛んな町だ。そしてこの町には、当クラブが45年前から桜の植樹を続け、今や町の観光名所となった大森山桜園がある。

この桜園は、テニスコートや野球場、屋内運動場などさまざまな運動施設が完備された総合運動公園、南レク城辺公園(第3号南予レクリエーション都市公園)の中にある。1976年、当クラブでは結成10周年記念事業として、公園内の大森山地区にソメイヨシノ1000本を植樹し寄贈。80年に大森山桜園として整備が完了した。以降も45周年に250本を植樹するなどし、現在ではさまざまな種類の桜、約3000本が3月下旬から4月上旬にかけて美しい花を咲かせ、町内外から訪れる多くの人々を楽しませている。

今年度も、クラブ結成55周年記念事業として植樹を計画。植樹から40年以上経過した尾根沿いの桜が、生育環境の厳しさもあって十数本しか残っていないことから、暑さにも寒さにも強いヨウコウザクラ200本を寄贈・植樹することにした。

ヨウコウザクラとは、遠赤青汁株式会社(愛媛県東温市)の高岡照海代表取締役社長の父親で、戦時中に教師をしていた故高岡正明氏によって開発された桜で、戦地に散った教え子たちを思い、二度と戦争が起きないようにという祈りが込められた平和のシンボルである。ソメイヨシノよりも早い時期に咲き、大輪で鮮やかなピンク色の花が特徴だ。記念植樹に賛同頂いた遠赤青汁社から100本の寄贈を賜り、合計200本のヨウコウザクラを植樹する運びとなった。

1月31日(日)午前9時から大森山桜園において、愛媛県南予地方局愛南土木事務所所長及び係長、南レク㈱南宇和管理事務所所長、南宇和高等学校ボランティア部1、2年生、一般市民、そして当クラブから埜下会長、竹村和也55周年大会委員長、会員の計23人で植樹式を実施した。温かな日差しの下、若い苗木の根を傷つけないように気を付けながら、鹿沼土と腐葉土、水を交互に入れ、風で倒れないように杭を打ち、全員が協力して丁寧に作業を行った。

ヨウコウザクラは環境に強いとはいえ、今後5年程は定期的な草刈りや水やり、追肥などが必要となる。200本全てが大きく成長し、町民や観光客に親しまれ愛されるように、大切に管理していく予定だ。そしてこの活動を通して先輩メンバーの奉仕の理念、環境保全に対する心を受け継ぎ、若い世代のメンバーに引き継いでいきたい。

2021.02更新(55周年記念事業委員長/森岡知昭)