投稿リポート 子どもたちの
萬古焼絵付け体験

子どもたちの 萬古焼絵付け体験

四日市みたきライオンズクラブ(大森満会長/76人)は2月9日、「ばんこの里会館」で地元の子どもたちを対象とした萬古焼(ばんこやき)の絵付け体験教室を開催した。クラブ結成30周年を記念した青少年育成事業の一環で、「四日市の地場産業に少しでも触れてもらい、知ってもらう機会になれば」という大森会長の思いから実現したもの。

萬古焼は、江戸時代中期に桑名の豪商・沼波弄山(ぬなみろうざん)が興した三重県伝統の焼き物だ。弄山が自身の作品に「いつまでも変わらず残っていくように」との意味で押した「萬古不易」の印が、名前の由来と伝えられる。やがて生産の中心は県内の四日市市や菰野町(こものちょう)へと移り、現在では約100社の窯元や問屋が携わる国内屈指の陶産地となっている。代表的な製品として、国内生産量第1位を誇る土鍋や紫がかった土色の地肌が特徴的な紫泥急須が有名だ。

この日体験教室に参加したのは、市内に住む3~12歳の子どもたち27人。説明を聞いた後、少し緊張した面持ちで素焼きの皿や土鍋のふたに絵付けを開始した。事前に用意した絵を元に慎重に鉛筆で下書きをする子、えいや!と思い切りよく筆に絵付け用の絵の具を付けて模様を描く子、作業用に貸し出された手回しろくろの方に興味津々の子。それぞれ思い思いに筆を進め、約1時間後には個性豊かな作品がずらりと並んだ。好きなキャラクターや友達とおそろいのデザイン、名前やイニシャルも入った、いずれもどこにも売っていない世界でたった一つの萬古焼だ。

「この土鍋でいっぱいラーメンを食べるよ」「楽しかった! また描きたい」。絵付けを終えた子どもたちの誇らしげな笑顔に、参加したライオンズ・メンバーたちも目を細めた。
 
2020.02更新(結成30周年記念大会実行委員長/森一生)