トピックス FVDG/DGEセミナーを終えて
国際協会
リーダーとして地区の先頭に立つ地区ガバナーは、就任前に必ず集中研修セミナーを受講しなければならない。昨年までのセミナーは国際大会の直前に開かれていたが、2016年秋の国際理事会で19年からの5年間は時期を早めて国際本部に近い場所を会場とすることが決まり、今回から第1副地区ガバナー(FVDG)/地区ガバナーエレクト(DGE)セミナーとして開催されることになった。
私は4回目となる日本語グループのグループ・リーダーの任命を受け、第1副地区ガバナーの皆さんと充実した3日間を過ごした。今回、地区ガバナー就任の約5カ月前にFVDG/DGEセミナーが開かれるようになったことで、研修で学んだ内容をよく吸収し熟慮した上で地区ガバナーとしての計画を立案する時間的な余裕が生まれたものと思う。
FVDG/DGEセミナーは2月12~14日の3日間、イリノイ州シカゴ近郊のセントチャールズにあるQセンターで行われた。世界の第1副地区ガバナー730人がこの会場に集い、自身の地区ガバナー年度を充実させ、成功に導くために必要な知識、ビジョン、スキルを身に付ける。Qセンターは宿泊施設を備えた研修センターで、シカゴ・オヘア国際空港から車で40分ほどの所にある。周辺には何もなく、ただ勉強するためだけにある場所だ。昔は大学だったとのことで、なるほどと納得した。
私たちグループリーダー37人はセミナー開始前の10日と11日午前中をかけて、ジュンヨル・チョイ国際第1副会長、ロバート・S・リトルフィールド委員長とセミナーの重要点について打ち合わせを行い、11日午後から各教室に分かれてセミナーの準備に入った。私はセミナーが始まる前に既にクタクタだったが、日本語グループの支援に来てくれた濱野雅司330複合地区GLTコーディネーターは元気いっぱいで、非常に心強かった。この日、世界中から続々と第1副地区ガバナーが会場に到着し、ガバナーとしての成功を後押しすべく全力を尽くそうと胸に誓った。
粉雪舞う12日午前8時、FVDG全員が集まって開会式が行われた。チョイ副会長から基本方針などが話され、その語り口から人となりがよく伝わってきた。チョイ副会長は特に、ライオンズの奉仕を支えるLCIFの充実、スペシャルティークラブの結成促進、更にサーバント・リーダーシップ(支援型リーダーシップ※1)の重要性を強く訴えられた。またFVDGに対してLCIFキャンペーン100(ワンハンドレッド)への参加を求め、全員がその場で参加を表明してキャンペーンの成功を誓い合った。
※1)サーバント・リーダーシップ(Servant Leadership)=「まず相手に奉仕し、その後相手を導く」という考えの下に生まれた「支援型リーダーシップ」。「支配型リーダーシップ」の反対。ライオンズクラブのリーダーシップ・セミナー用資料として、濱野雅司330複合地区GLTリーダーが作成した資料(PDF)はこちら→「サーバントリーダーシップ(奉仕するリーダーシップ)」
その後、各クラスに分かれてセッションがスタートした。クラスごとのグループ・セッションは3日間で九つある。この日はまず「バランスのとれたリーダーになるためには」、「チームの力学」などのセッションを行った。「チームの力学」は隣室のカナダのグループ16人との合同のセッションで、日本とカナダのFVDGが六つのテーブルに分かれて質疑応答を行った。カナダ・グループとの合同セッションは2日目にも行われ、多様性について認識を深めるセッションとなった。両国のFVDGはすっかり打ち解けて、セッション以外の場でも交流していた。
13日午前中の全体セッションでは、チョイ副会長の方針について詳しい説明があり、会員増強に関しては各地区で1クラブのスペシャルティークラブを結成するよう要請があった。前回までのDGEセミナーでは、毎日午前中をかけた全体セッションでゲスト・スピーカーの講演などが行われたが、今回からは全体セッションの時間が短縮され、その分グループ・セッションに多くの時間が充てられた。2日目のセッションは「奉仕の道のり」「会員増強の支援」などで、FVDGは疲れも見せず、活発な意見交換を行った。
アメリカ中西部にはセミナーの前の週に記録的な寒波が襲来していたが、私たちが現地に入ってからは、極端な寒さに見舞われることはなかった。最終日の14日朝はマイナス4度で快晴。この日は朝からシカゴ郊外のマウントホープ墓地にある創設者メルビン・ジョーンズの墓にお参りし、国際本部の見学を行った。
その後、Qセンターに戻って行った最終セッションは「目標の達成」。これはFVDGたちが目標設定の準備を行う重要なセッションだ。地区ガバナー就任に向けた覚悟を決めてもらうために、全員の前で自分の所信を発表してもらった。目標は実行に移さない限り夢に過ぎない。この所信発表によって、いよいよ自分のガバナー年度が始まると、腹がすわったものと思う。
閉会式でチョイ副会長は、奉仕するライオンズとして世界をより良い場所にするには、多くの人が共に努力することが必要だと訴えた。そして、成功のためにはさまざまな視点を持って奉仕に取り組むことが欠かせないと締めくくられた。どのFVDGも活気と充実感でいっぱいの表情だった。
昨年までとは異なり、周囲から隔離された環境でセミナーが行われたことで、研修に集中することが出来た。また日本のFVDGの間で交流が深まり、強い連帯感が育まれた。皆がライオンズクラブの発展と、より良い地域を作っていくことを誓い合い、7月のミラノ国際大会で再会することを思い描きながら帰路に着いた。
2019.02更新(2019年FVDG/DGEセミナー・グループリーダー/城阪勝喜)