フォーカス食を通じた青少年育成と
世代間交流に取り組む

食を通じた青少年育成と世代間交流に取り組む

私たちは札幌市内の大学生を中心メンバーとして、「食と学びにワクワクを」というスローガンの下、特定非営利活動法人Efy(エフィ)の名で活動しています。EfyのEはEducation(学び)、FはFood(食)、YはYell(応援)の頭文字から取りました。活動の目的は、食を切り口に子どもの体験を増やすこと。同時に、子ども、学生、そして地域の方、みんなの学び合いの場を作っていくことです。

私たちがこの活動を始めたのは2016年11月のことです。Efyの共同代表を務める坂本と大竹の二人が在学する天使大学で、当時教授をされていた方から、食育企画の運営に関わってみないか、と声を掛けて頂いたのがきっかけでした。内容は中学生向けの朝型生活習慣を応援しようというもので、コープさっぽろの広報誌を制作している会社の企画でした。

大学生活では、それまで子どもに接する機会はなく、そこで初めて栄養学科で学んできた食について、子どもたちに伝えるという経験が出来ました。その中で、伝える楽しさを知ると同時に、なかなか伝わらないもどかしさも実感しました。そして、もっとやってみたい、どうせなら自分たちで企画したい、と思うようになり、17年3月に団体を設立、6月にNPO法人格を取得しました。

Efyとして行っているプログラムは基本的に三つあります。一つは、食材の旬・年中行事・調理学などをテーマに、みんなで作って・食べて・学び合う「いろは塾」。二つ目は、子どもたちがカフェ店員になりきって地域の方々をおもてなしする「りらカフェ」です。「りら」というのは札幌市の木・ライラックのフランス語「リラ」にちなんでいます。三つ目が、野菜を育て食の循環を学ぶ 「Efy farm(エフィ・ファーム)」というもので、札幌市東区にある北光児童会館の前にある畑を使って行っています。

「いろは塾」の食事には、「Efy farm」で子どもたちと一緒に育て収穫した野菜を使います。例えば、サラダうどんの場合は、みんなで小麦粉と塩水を混ぜ、200回以上踏んでこしを出した手打ちうどんから作りました。小麦粉に塩水を入れて混ぜるとグルテンが作られることなどを学びながら行います。そして出来上がった手打ちうどんをゆで、収穫したての野菜をトッピングしてサラダうどんにしました。

また、一汁三菜が和食の基本だということや正しい配膳の仕方、魚の食べ方、季節の食材を大切にすることなどを、併せて教えています。その時、講師役やサポート役として、札幌トラスト ライオンズクラブのメンバーの方が参加してくださったり、地域の方が来てくださったりしています。

活動は東区の児童会館を中心に実施し、時には他地域の児童会館や中学校にも出張していますが、対象となるお子さんは、その児童会館に来ている子どもたちや中学校の生徒たちになります。最初は、街中のカフェでやろうと企画したのですが、認知度がないため参加者が来てくれませんでした。それで立ちゆかなくなり、天使大学の非常勤講師の方に東区の民生委員さんを紹介してほしいと依頼した結果、どうにか児童会館につながることが出来、現在のスタイルになりました。児童会館はそもそも子どもたちが来ている場所ですから集客の必要がなくなり、私たちは企画に集中出来るようになりました。

東区というのは天使大学がある区で、現在の活動拠点となっています。札幌市の中では比較的貧困世帯が多く、食のサポートの必要性が高い地区だと考えられました。また身近なところからコツコツと、地域に根差した活動をしていきたいという気持ちもあり、天使大学の教授に相談したところ、町内会の能澤正明会長に声を掛けてくださり、能澤会長のご協力でとんとん拍子に話が進みました。

その後、能澤会長は実際にEfyの活動に参加してくださり、それをご自分が所属されている札幌トラスト ライオンズクラブ(今村尚司会長/65人)に提案され、ライオンズとして私たちの活動を支援して頂けることになりました。当時、能澤会長は道央部のライオンズクラブで構成される地区の責任者(地区ガバナー)を務められており、クラブの活動としてサポートするだけではなく、私たちもライオンズの一員となって一緒に活動しよう、とお誘い頂きました。そこで、法人の理事や大学の教授とも相談して、Efyとしての活動に特化したライオンズクラブの支部(さっぽろ食と学びにワクワク支部)を結成させて頂くことになりました。ライオンズの支部となって以来、毎回の活動には必ず親クラブのライオンズ会員の方が数人参加してくださり、食材の購入費なども補助してくださっています。

「いろは塾」にしろ「りらカフェ」にしろ、私たちの活動は基本的に毎回食事を伴うので、今よく聞く「こども食堂」にも通じる活動になっています。活動は主に土曜日に実施します。というのも、共働きの親御さんが土日に仕事をしているご家庭では、土曜日の朝から晩まで1日中、お子さんを児童会館に預けるケースも多いためです。更には学校給食がある平日と違い、土曜日はお弁当を持参することになりますが、昼食の用意が難しいご家庭もあり、中には菓子パンだけ、ちくわ一袋だけしか持って来ないお子さんもいると聞きます。その意味でもEfyの食事は重要な要素になっていると思います。それだけに食材にも気を遣い、北海道産の旬のおいしいものを子どもたちに食べてもらえるよう心掛けています。

また、ただ食べて終わりではなく、何かしら学びを持ち帰ってもらうことを意識しています。その中で、学びを得る基本姿勢として、子どもたちには失敗を恐れず挑戦する気持ちを持ってほしいと思い、失敗してもいいんだよ、次があるよ、と声を掛けています。

先日、札幌トラスト ライオンズクラブのご協力で、青少年のためのライフスキル教育プログラム、ライオンズクエストのワークショップを受講させて頂きました。その際、子どもたちの自尊感情を高めることが、他人を大切にしたり、前向きな問題解決を図ったりすることに役立つということを学びました。またワークショップでは、子どもたちとの接し方について得ることも多く、ライオンズクエストで学んだことを自分たちの活動にもつなげていきたいと思っています。Efyの活動で大切にしているのは、子どもたち自らが体験することなんですが、体験を通じて子どもたちが自信をつけ、自己肯定感を高めてほしいと願っています。

ウェブサイト:http://www.efy-hokkaido.org/
Facebookページ:https://www.facebook.com/education.food.yell/

2019.02更新(取材・構成/鈴木秀晃)

*坂本さんと大竹さんが作った糖尿病予防食のレシピ「ゆる~く糖質OFF弁当」に関する記事が2019年1月公開のニュース「世界糖尿病デーに合わせ糖尿病予防啓発セミナー」に掲載されています。また、レシピもダウンロード出来ます。併せてご覧ください。

さかもと・ほしみ(写真右):Efy共同代表理事。1995年、北海道恵庭市生まれ。天使大学看護栄養学部栄養学科4年。4月から国内での介護福祉事業や国際協力事業を行う会社に就職予定。18年3月、札幌トラスト ライオンズクラブさっぽろ食と学びにワクワク支部入会、同支部会長。
おおたけ・はるか(写真左):Efy共同代表理事。92年、北海道札幌市生まれ。天使大学看護栄養学部栄養学科4年。4月から札幌市内の保育園に栄養士として就職予定。18年3月、札幌トラスト ライオンズクラブさっぽろ食と学びにワクワク支部入会、同支部幹事。